吉澤嘉代子の音楽=老若男女の子供たちの心の拠り所――メジャーデビューから5年間の集大成『新・魔女図鑑』全18曲の物語(Billboard JAPAN)

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 11月25日にビクターエンタテインメント移籍第一弾シングル『サービスエリア』をリリースした吉澤嘉代子。新天地での活動をスタートさせたのだが、それと同日に日本クラウン在籍時代5年間の集大成コンピレーションアルバム『新・魔女図鑑』が発売された。 その他の画像 <もう大人になったはずの彼女の中に潜む少女性、子供の存在>  このアルバムは、吉澤嘉代子がメジャーデビューしてから様々な物語を紡いできた音楽史とも言える。その1ページ1ページをめくっていくと、彼女の人間性やアーティスト像が浮かび上がってくる。そして、全18曲を聴き終えて気付かされるのは、もう大人になったはずの彼女の中に潜む少女性、もっと平たく言えば、子供の存在。メジャーデビュー前にテレビ番組でヒャダインや綾小路翔が「キュンキュン来る」と絶賛していたことを憶えているだろうか。今思えば、その印象は単純に「可愛い」ということではなくて、父と一緒に井上陽水の「白いカーネーション」を歌っていた幼年期の自分、学校に通うことを躊躇うようになってしまった少女時代の自分、ゆえに「自分が子供だった頃みたいな子供に知ってほしくって、どうしても私を。」と思うようになった今の自分が各楽曲の中に生息しており、その子供の無邪気さや儚さ、当時「ぶりっ子」とも称されていた天真爛漫な立ち振る舞いや、物事と折り合いをつけられないがゆえの孤独、寂しさが滲み出ていたからかもしれない。と、あれから5年のあいだに彼女が発表してきた『新・魔女図鑑』の収録曲たちと改めて対峙してみたら思えてきた。 <私は子供の頃に“物語”というものにすごく救われたんですよ>  ちなみに「自分が子供だった頃みたいな子供に知ってほしくって、どうしても私を。」という言葉は、今作にも収録されている「残ってる」がシングルリリースされる際のインタビューで本人から聞いたものだ。  「私は自分が子供だった頃みたいな子供に知ってほしくって、どうしても私を。その為にはたぶん自分の趣味の範囲では伝わらないから……仕事にしたいんです。」「子供っていちばん最後に情報を得るから。幼稚園で流行るものって少し前に流行っていたものだったりするじゃないですか。そこまで行きたいと思うと……「お仕事にしたい」と思いました。」  「とは言え、私も子供のときに子供向けの曲を聴いていた訳ではないので、子供向けの

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(2020/11/28)