7~9月期「V字回復」は特殊事情、GDP回復力は弱まる(ダイヤモンド・オンライン)

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 確かにこの数字を見るかぎり、順調な回復だ。「V字回復」といってもよい。  しかし、7月~9月期のGDPには特殊要因が影響している。  その第1は、輸入が年換算で4~6月期の91.6兆円から7~9月期の82.6兆円へと9.0兆円減ったことだ(図表1参照)。  輸入がこのように減ったのは、4~6月期にマスクなどの輸入が急増しそれが7~9月期には解消したためだ。  こうしたことによってGDPが増加するのは今年7~9月期の特殊事情であり、今後は起きないだろう。  そこで、これを除外して考えるのが妥当だ。  図表1の「輸入変動がなかった場合」では、7~9月期の輸入が4~6月期の輸入と同額だったと仮定した。  この場合の7~9月期の実質年率GDPは実際の値である507.6兆円ではなく、これから91.6兆円と82.6兆円の差である9.0兆円を引いた498.6兆円になる。  したがって、4~6月期の483.6兆円からの増加率は、5.0%でなく、3.1%になる。年率では21.4%でなく13.0%になる。  この場合には、1~3月期から4~6月期への落ち込みの3分の1程度しか取り戻していないことになる(図表1のb/aを参照)。  つまり、V字回復とはいえないわけだ。 ● 輸出も回復に寄与したが、 欧米の感染拡大で将来は不確実  外需では、輸出の増加(実質対前期比は、年率31.37%増)も7~9月期のGDPを増大させた要因だ。  中国経済の回復により、対中輸出の対前年比が7月以降連続してプラスになったことの影響が大きい。

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(2020/11/26)