【カープの名スカウトの証言 福地寿樹】「佐賀に無名だがとびきり足の速い選手がいます」。通算251盗塁を記録した韋駄天の入団秘話(広島アスリートマガジン)
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各球団スカウトの情報収集の集大成であり、球団の方針による独自性も垣間見られるドラフト会議。カープはこれまで、数々の名スカウトたちが独自の眼力で多くの逸材を発掘してきた。
【写真】低迷期のカープで“トータルベースボール”を標榜。緒方監督も恩師として名前を挙げた監督を語る
ここでは、かつてカープのスカウトとして長年活躍してきた故・備前喜夫氏がカープレジェンドたちの獲得秘話を語っていた、広島アスリートマガジン創刊当時の連載『コイが生まれた日』を再編集して掲載する。
今回は、1993年のドラフト4位でカープに入団。カープを含め3球団で通算251盗塁を記録した“足のスペシャリスト”福地寿樹の入団秘話をお送りする。
◆赤ヘル黄金期の足のスペシャリスト・今井譲二以来、俊足に魅力を感じての指名となりました。
ウエスタンで4年連続盗塁王、一軍でも「代走の切り札」から、2003年に開幕スタメンをつかんだ福地。カープが獲得する野手は総じて足が速いのですが、彼についてはその中でも別格でした。私が見た中では1990年代に入団した選手では最も足が速かったと記憶しています。
2003年シーズンの開幕スタメンはセカンド。また終盤の守備固めではレフト、ライトも守っています。そんな福地も、高校時代はピッチャーをやっていました。
私は彼の高校時代を直接見たのは1回だけですが、その試合が夏の甲子園の県予選でした。九州・沖縄地区担当の村上から「佐賀に無名だがとびきり足の速い選手がいます。ぜひ獲得してみては」との報告を受けました。福地のいる杵島商高は佐賀県内でも無名校で、早い段階で敗退する可能性が高く「急がないと直接見る事ができなくなる」と思って、急遽、村上スカウトと一緒に佐賀に行ってみました。
試合が始まると、福地は何とピッチャーとして投げています。正直、投手としては注目するほどではありませんでした。しかしウチだけが発見したと思っていた福地を、他球団のスカウトもかなり見に来ていたのには驚きました。やはりその俊足が注目されたのでしょうか。
特に際立った“足の速さ”が決め手となって入団したのは「代走の切り札」として一世を風靡した今井譲二(中央大→1979年ドラフト外入団)以来の事ではなかったかと思います。
タイプとしては、同じく高校時代に投手だった髙橋慶彦の入団時に似て、体