『姉ちゃんの恋人』はコロナの描き方が甘い?現実を忘れられる魅力も(女子SPA!)

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 コロナ禍を無視する、あるいは無視せざるを得ないドラマもあるなかで、本作がコロナのある現実の世界線をたどっていることは明らかだろう。「コロナ」という言葉こそ発されないが、半年ほど前を振り返る第1話冒頭の会話やホームセンターでマスクを奪い合うお客たちの描写などがそのことを暗に示している。  一方で、もうすでにコロナが収まったかのように主人公たちはマスクをしないし、ソーシャルディスタンスの意識が曖昧だと指摘する視聴者の声もある。  しかしそういった違和感は話数を重ねていくごとに慣れていくものである。本作はコロナのある現実を舞台としながらも、コロナを面と向かって描くわけではない。その代わりに、主人公たちが過去に負ってしまった「傷」をしっかりと描写することで、ウィズコロナの時代にわれわれが抱えている「ストレス」や「不安」みたいなものを間接的に補完しようとしているようにも見える。  言うまでもなくコロナは世界のあり方を変え、生活を混沌に押し込め、「非日常を日常化」してしまった。その世界を真っ向から描くことは可能かもしれないが、それはあまりにもドラマとして暗くなってしまう可能性があるだろう。 『姉ちゃんの恋人』のドラマメイクからは、「現実を突きつける」というより「現実を忘れられる」作品を作ろうという製作陣の意思が垣間見える。ドラマを見ているこの時間だけはコロナの非日常を忘却し、恋をする日常の尊さを再認識するということ。そうした作りがゆえに、若干の浮世離れした雰囲気は許容したいところだ。

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(2020/11/24)