カープ伝説のスカウトが田中広輔獲得を決めた意外なポイント(広島アスリートマガジン)

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 カープは現在、9名のスカウトが逸材を発掘するために全国を奔走している。そのスカウト陣をまとめているのが、苑田聡彦スカウト統括部長だ。苑田スカウトはかつて勝負強い打撃でカープで選手として活躍し、初優勝にも貢献。引退直後の1978年から現在までスカウトとして長年活動を続け、黒田博樹を筆頭に数々の逸材獲得に尽力してきた。  この連載では、書籍『惚れる力 カープ一筋50年。苑田スカウトの仕事術』(著者・坂上俊次)を再編集し、苑田聡彦氏のスカウトとしての眼力、哲学に迫っていく。  今回は、田中広輔や梵英心氏のエピソードをもとに、苑田スカウトが大切にする「基本プレー」へのこだわりを紹介する。 ◆ 野球も仕事も基本が大事。その積み重ねは、姿勢にあらわれる  ベンチを出てグラウンドに走っていく選手の姿から、苑田はその能力の高さを読み取ることがある。彼は『かっこよさ』の定義を独自の表現で説明する。 「走り方やユニホームの着こなしを見れば分かります。ひと言で言えば、その姿がかっこいい選手ですね。基本ができていて、バランスが良ければ、かっこよく見えるはずです」  しかし、その要素を備えた選手は多くない。 「基本がしっかりした選手なんてなかなかいませんよ。でも基本ができなかったら、成功できません。打撃も守備も基本が大事です。守備だったらファインプレーも良いけど、投手からすれば、正面の打球をしっかりアウトにしてくれないと困るでしょ。基本に忠実な選手は(プロでも)絶対伸びると考えています」  基本を重視する理由はもうひとつある。故障のリスクを回避することである。 「基本ができていると故障しにくいんです。基本的に故障する人は体のバランスが良くないものです。スライディングでもケガをする人は、(基本に反して)ドーンとぶつかってしまいます。高校生でも外野フェンスにぶつかって捕球することがありますが、それよりも、定位置から何歩でフェンスにぶつかるかを頭に入れておくという基本のほうが大事です。闘志あるプレーよりもまず基本です」  基本があれば、プロの練習や指導で飛躍的に成長する。さらにその成長を妨げるようなケガを回避できる可能性が高い。やはり、大成するには基本が大事なのである。  長いスカウト生活のなかで、そんな選手に出会える機会は少なかった。それほど、基本のプレーを完璧にやり遂げ

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(2020/11/24)