全国から善意…240張の弓と1200本の矢 火災の北陸高校弓道場、3年経て再建(福井新聞ONLINE)

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 2017年12月に全焼した福井県福井市の北陸高校弓道場は、12月中旬の完成を見込み工事が進んでいる。再建の日を心待ちにするのが、18年の入学から校内の道場に一度も立てなかった3年生たちだ。「卒業に間に合ってよかった」。競技を続ける部員も、高校で区切りを付ける部員も、3月まで弓を引いて新道場の感触を味わうつもりだ。  火災は17年12月10日未明に通報があった。県警福井署の調べでは、部室にあった電気ストーブ付近が激しく燃えていた。教訓を生かし、新弓道場は安全対策を強化する。ストーブは置かず冷暖房用のエアコンを完備。木造は鉄骨に改め、矢が施設外に飛ぶのを防ぐネットを設ける。  外観は道着をイメージした白黒モノトーン。広さは旧道場と変えず、8人が並んで放てる。建設場所は以前と同じグラウンド北東角。計画より約1年遅れの7月に着工した。  一部の3年生部員は12日、完成に近づく弓道場を見て「かっこいい」と声を上げた。火災後に入学して以降、校内の駐車場隅で巻きわらに向かって弓を引いた。福井市の県立武道館を利用できるのは土曜日だけと、厳しい制限の中で練習を続けてきた。  主将の竹澤賢秦さんは「引退してしまったけど、完成の日を迎えられそうでうれしい。多くの方に支えられ、廃部せず続けることができた」と感謝した。火災後、全国から寄付金に加え240張の弓と1200本の矢が届いた。弓は安くても数万円。部員と谷口広治監督(61)は、1963年創部の歴史をつなごうと善意の弓矢に誓ってきた。  新弓道場は1、2年生約60人の部員と北陸中生が使う。竹澤さんら3年生も顔を出すといい、「ここでしっかりと鍛錬して」と部活動の発展を後輩に託した。年明けにも完成式典を開くことにしている。  ■北陸高弓道場の火災 2017年12月10日午前1時20分ごろ、巡回中の警察官が火災に気付いた。木造平屋建て約185平方メートルを全焼。230張の弓や1500本の矢、はかま、トロフィーなどを焼失した。けが人はなかった。弓道部は1963年に創部し、弓道場は92年に完成した。北陸中の部員も使用していた。

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(2020/11/24)