映画『泣く子はいねぇが』:主演・仲野太賀と佐藤快磨監督の奇跡的な共振(nippon.com)
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『泣く子はいねぇが』で、商業映画に初めて挑む佐藤快磨(たくま)監督。2014年、長編1作目の『ガンバレとかうるせぇ』を自主制作し、「ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2014」で映画ファン賞と観客賞を受賞した期待の若手だ。同作は第19回釜山国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされるなど、国内外のさまざまな映画祭で高く評価されてきた。
15年に文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2015」に選ばれ、仲野太賀(たいが)と岸井ゆきの主演で短編映画『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(16)を監督した後、是枝裕和率いる製作会社「分福」に持ち込んだ作品が、この『泣く子はいねぇが』だ。その脚本に惚れ込んだ是枝監督のサポートのもと、5年越しで完成させ、ついに商業デビューを果たす。
本作は今年9月にスペインで行われた第68回 サン・セバスティアン国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、最優秀撮影賞に輝いた(撮影監督は月永雄太)。11月に開催された第21回東京フィルメックスコンペティション部門にも正式出品されるなど、デビュー作にして快進撃を続ける。
舞台は、伝統行事「ナマハゲ」で有名な秋田県男鹿市。たすく(仲野太賀)は、ことね(吉岡里帆)と20代半ばで結婚し、親になる覚悟を持てないまま一児の父になった。娘が生まれて間もない大晦日の夜、ナマハゲに参加するたすくは、妻に早く帰ると約束しながら、酒を断り切れずに泥酔してしまう。挙句の果てに、神聖なナマハゲの面をつけたまま、全裸で男鹿の街を走り抜けるという醜態が、全国ネットのテレビにさらされる。妻に愛想をつかされ、地元から逃げるように上京したたすく。それから2年が経ち、東京でくすぶった生活を送ることに耐え切れなくなった頃、親友からことねの近況を聞かされ、ようやく自らの愚行と正面から向き合い始める。しかし地元に戻る決意をしたたすくを待っていた現実は、それほど甘くなかった……。