[Alexandros] 川上洋平の音楽魂──ロックしているから“ブレまくる“(GQ JAPAN)
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遅咲きのバンドといわれる。デビューに漕ぎつけたのが28歳。クオリティが高く、クールで洗練されたロック・サウンドを武器に快進撃を続け、2015年にリリースした「ワタリドリ」のヒットで広く認知されるまでになった。
「ようやくいい感じになってきたかな(笑)。でもこのほうが自分たちには合っていた。あの低迷していた時期があってこそ、だったと思うんです」
10代の初めに音楽に恋した、その思いを「ずっと貫いてきた」年月だった。コロナ禍にまみれた今年。ライヴが中止となった自粛中も、詞と曲を書き続けた。
「何もできない、力及ばずの状況で、まったくヘタらなかったといったら嘘になるけど……孤独というならいつも孤独なので。でも俺はもともとラテン系の性格ではあるので、深刻にはなりませんでしたね。いちばん困ったのはご飯かな(笑)。近所の定食屋さんが閉まってしまって」
とはいえ、作品には少なからず変化があった。新曲のラヴソング『rooftop』では、これまで以上に柔らかい、美しさを湛えたバラードを生み出し、せつなさが溢れ出る。
「人と接することのできなくなったこの時期、音楽にできることは何かと考えて、ラヴソングだなと。オンラインでしか気持ちを交わせない恋愛を描いているけれど、そこには早くオーディエンスと逢いたいという意味も込められているんです」
にわかに規制の緩んだ8月、バンドとしてはいち早く有観客ライヴを行った。
「自分らが真っ先に扉を破ってやるぜっていうことではなくて、動きが出てきた時期、チャンスがあるなら、元に戻っていける隙間があるのなら、と考えたんです。コロナ後の変化がいろいろ言われるけど、俺は絶対に以前と同じ状況になると信じてる。人数制限はいたしかたなかったけれど、ただただ皆と逢えて歌えてうれしかった」