バイデン政権に移行した場合、中東問題はどう変わるのか(ニッポン放送)

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宮家)小高い丘なのです。シリアから見れば、シリア側の方はなだらかな下り坂になっていて、ゴラン高原の上から見ると、ダマスカスから攻めて来る軍隊が丸見えなのです。戦略的に重要な地域です。そして、イスラエル側から見ると、勾配はもっと急なのですが、あそこを獲るか獲られるかということは、1967年当時、イスラエルとシリアは戦争をしていたわけですから、非常に大事な場所であるということ。それから第2に、以前イスラエルは少なくとも、シリアと平和条約を結べたら、ゴランをシリアに返す気でいたのです。あそこにはガリラヤ湖という湖があって、そこの水利権の問題をほんの何メートルという話まで詰めていたのですから、これがイスラエル領であるわけがないのです。しかし、結局イスラエルはゴラン高原を併合してしまった。という訳ですから、アメリカの国務長官があと2ヵ月しか任期がないのに、このようなことをするのは、いかがなものかと思いますね。こんなことをやっている時間があるなら、例えばアゼルバイジャンとアルメニアの間のナゴルノ・カラバフをめぐる問題を何とかしろ、と言いたい。今回はロシアが仲介しましたが、要するにアゼルバイジャンがトルコと組んで、完全にアルメニアをやっつけてしまったわけです。これで本当にいいのか。もう少し、アメリカの大統領、国務省に頑張ってもらわないと困ると言っている人もいるのではないかと思います。 飯田)あそこに関しては、今回で3回目の停戦だということです。2回目の停戦の仲介はアメリカがやったけれども、たった1時間で崩壊してしまった。 宮家)それはそうですよ。あの程度で戦闘をやめるはずがないのですよ。何十年もやっているわけですから。 飯田)冷戦後ずっとやって来た。 宮家)そもそもソ連内の共和国同士の話だったのです。 飯田)ある意味、分割統治国だった。 宮家)ソ連の偉い人が「えいやあ」と決めてしまうわけです。1つの国の内部だからできたことですけれども、それがソ連崩壊後独立してしまったわけですからね。アルメニアというのはトルコにもいじめられて、虐殺されて、そして今度はアゼルバイジャンでもこういうことになっている。悲劇の民族ではあるかも知れません。やはり世のなかには正義というものがあるはずですが、どれが正義かというのは難しいですよ。しかし、ロシア主導ではなく、もう少しアメリカが世界の安定

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(2020/11/22)