「ばかばかしさ」を追求して 怒濤の日々(井上芳雄)(NIKKEI STYLE)

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井上芳雄です。11月は怒濤(どとう)の日々です。9日から東急シアターオーブでミュージカル『プロデューサーズ』に出演しているのですが、久しぶりの大劇場でのミュージカルコメディで、出ずっぱりの主役としてツッコミ続けているとあって、体力やエネルギーをものすごく使います。お客さまの前に出ると自然とテンションが上がるし、毎日大暴れしているみたいな気分です。 『プロデューサーズ』は2001年にブロードウェイで初演された傑作コメディ。米国演劇界で最高の栄誉とされるトニー賞で、史上最多となる12部門で最優秀賞を受賞しました。落ち目のプロデューサーであるマックスが、気の弱い会計士のレオと組んで、史上最低のミュージカルを製作して興行を失敗させ、出資者から集めた資金をだまし取ろうという話です。今回の日本版演出は福田雄一さん。振り付けはブロードウェイのそのままで、セットや衣装も豪華だし、ミュージカルらしいゴージャスな舞台です。 政府の入場者制限の緩和方針に基づいて、客席は100パーセント使えるようになりました。初日に、久しぶりに満席の劇場を見たときは感動しました。お客さまの笑い声も大きいし、拍手も手拍子も大きい。満席になった大劇場で演じるのは今年初めてなので、特別な初日になりました。 傑作コメディといっても、米国と日本では笑いの文化が違うので、お客さまが笑ってくれるかどうか不安もありました。始まってみると、日によって多少の差はあっても、狙ったところで笑いが起こるので、物語やキャラクターがちゃんと伝わっている手応えがあります。稽古ではオリジナルの台本の面白さを伝えることと、アドリブで突っ込んだりすることの両方の笑いを探ってきました。見た人からは、どれが台本でどれがアドリブか分からないと言われるので、うまくバランスがとれているようです カンパニーの雰囲気はすごくよくて、演じていても、みんな適材適所だと感じます。マックスは僕が演じていて、レオ役は吉沢亮君と大野拓朗君のダブルキャスト。2人とも個性も演技も違うので、それぞれ違ったレオになっているのが面白いところです。 吉沢君は、ミュージカルは初めてなので準備が大変だったと思いますが、そんなところは全然見せずに、稽古場でもすごくクール。それでいて一発かましてやろうみたいな気持ちの強さがあって、やっぱり映像の世界でいろんな経験をしてきたんだなと。演技

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(2020/11/22)