これぞ“令和のホットハッチ”だ! GRヤリスRZの驚異的なパフォーマンスとは?(GQ JAPAN)

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富士スピードウェイ・ショートコースで体験したGRヤリス・プロトタイプの走りは衝撃的だった。 当日の路面はヘビーウェットで、極めて滑りやすい状態。ここで、自然吸気エンジンを積む前輪駆動の「RS」がコントロール次第で軽いオーバーステアを引き出せることは(別項で)記したが、よりダイナミックな走りを楽しめたのはスポーツ4WDにターボエンジンを組み合わせたRZとRZハイパフォーマンス(以下、RZ HPと略す)の2台だった。 電子制御式多板クラッチで前後輪にトルク配分を行うスポーツ4WDにはモード切り替えがあって、ノーマルモードは前:後=60:40で安定志向、トラックモードは前:後=50:50でコーナーの脱出重視、スポーツモードは前:後=30:70でドリフト向きと異なるキャラクターに仕上げられている。 ところが、ヘビーウェットの路面ではどのモードでも簡単にテールが振り出すジャジャ馬ぶりを発揮。もっとも、4WDは後輪駆動と違ってフロントタイヤでもクルマを前に引っ張る格好となるため、激しくテールを振り出した状態でもそこからの復帰が比較的容易で、おかげで私は一度もスピンせずに済んだ。また、滑りやすい路面でも後輪駆動に比べてはるかに大きな駆動力が得られるので、後輪をスライドさせても車速の落ちが目立たず、このためストレスをほとんど感じないところも4WDの魅力といえる。 このスポーツ4WDを搭載したRZとRZ HPにどんな違いがあるかというと、ひとつはトルセン式のリミテッド・スリップ・デフ(LSD)を前後に搭載しているのがRZ HPで、これに対してRZは一般的な乗用車とおなじオープンデフを前後に採用している。オープンデフはスムーズにコーナーを曲がれるというメリットがあるいっぽうで、片輪が滑りやすい路面に乗ると左右輪ともに駆動力がかからなくなって失速する恐れがある。 いっぽう、LSDであれば片輪が滑り始めても、もう片輪に駆動力を伝達できるので、車速の低下を抑えられるほか、ドリフト状態でもスロットルワークでクルマの姿勢をコントロールできるメリットがある。したがってRZ HPはドリフト走行を積極的に楽しみたい腕利き向き、RZはドリフト走行までしなくてもいいけれどGRヤリス本来のダイナミックを楽しみたいドライバー向きであると、富士スピードウェイでの走行を終えた私は結論づけていた。

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(2020/11/21)