ランニング中に襲われ…性的暴行サバイバーの私が走り続ける理由(コスモポリタン)
【リンク先抜粋】
(語り:キャット・クロフォードさん本人)
恋人と一緒に、ニューヨークからカリフォルニアのシリコンバレーに引っ越してきた私は、サンフランシスコで行われる「ロックンロールハーフマラソン」に出場する準備をするのが当時の日課でした。サンフランシスコの街を走り回る日々が、とても楽しかったことを覚えています。
ある日、私は早朝シフトの仕事を終えて、朝の4時45分にスポーツウエアに着替え、街灯がある中心街のランニングコースに向かいました。その日は、10~12キロほど走る予定でした。
突然、茂みからナイフを持った男性が飛び出してきて私に襲い掛かってきたのは、3キロほど走ったときのことでした。その瞬間に感じたのは、恐怖よりも「これって現実? 夢を見ているの?」という当惑でした。なんだか、「犯罪特捜班」の番組を観ているような、自分に起きている状況をどこかで俯瞰して見ているかのような感覚でした。
ところが、その男が私を力ずくでつかんで口を押えた瞬間、夢ではないと確信しました。私はそれまで自分は強い人間だと思っていましたが、ナイフを持った男に力で勝ることはできず、車の中に引きずりこまれていきました。
車の中に閉じ込められ、抵抗もむなしく男性に襲われました。その時は、このような事態になる前に防ぐことができたかもしれないと自分を責めました。そして、「家族や友人たちに怒られる」とも考えていました。
私は、ちょうど身に着けていたアップルウォッチで緊急通報を試みましたが、それに気づいた男は焦りだし、私をさらに強くしばりつけました。そのとき、以前よく観ていた「犯罪特捜班」の番組で紹介されていた、強姦などの傷害事件の対処方法を思い出しました。それは、加害者にあえて近づき、相手と“人として対話”をするということ。
そこで私は、男をそれ以上興奮させないために、「今すぐ私を逃がしてくれれば、誰も私がいなくなったことに気づかない」と声をかけました。男に自分の仕事のシフトスケジュールを教えて、いつまでに戻らなければ、私の恋人や仕事仲間が心配しはじめると伝えたんです。護身用の武器になりえるものが身近にはなかったので、自分の頭を使うしかありませんでした。
私はそのまま男に話しかけながら、気づかれないように車のロックを解除し、徐々にドアに向かって体を近づけていきました。そしてここぞというときに、ドアを開