地方の施設がわずか1カ月で「前年の1.5倍」の客を呼べた理由 ―小さな会社・自治体の「SDGs」活用法(LIMO)
【リンク先抜粋】
2014年から始まった「第1期地方創生」の際、政府は2014年度末までに地方版総合戦略を作成するように、各自治体に指示を出しました。その時期に、私は長野県の坂城町(さかきまち)からセミナーの依頼をいただきました。坂城町は長野市と上田市の間に位置する人口1万5000人弱の自治体です。
そこから得たご縁で見聞きし、非常に興味深かったのが、同町にある「鉄の展示館」のチャレンジです。
刀匠であった故・宮入行平(みやいり・ゆきひら)氏が国の重要無形文化財保持者、いわゆる「人間国宝」に認定され、名誉町民第1号となっている「刀匠の町」坂城。この町に2002年につくられた鉄の展示館は、2015年に大きな転機を迎えます。
前年に亡くなられた俳優の高倉健氏は、宮入行平氏のご子息・宮入小左衛門行平刀匠と親交が深く、そのことや鉄の展示館の存在を知っておられたご遺族が、相続した高倉氏の愛蔵品を小左衛門行平刀匠に託し、それらが鉄の展示館に寄贈されることになりました。
それが7月のことで、9月には『高倉健さんからの贈りもの(日本刀)』と題した緊急特別展示を行ったところ、大きな反響を呼びました。
さらに、その閉幕からわずか10日後には、全国の刀匠による、人気アニメに登場する武器や世界観にインスパイアされた作品を展示する巡回展『ヱヴァンゲリヲンと日本刀展』を同館でも開催。町村部の自治体が運営する展示としては異例の1万人を大きく超える入館者を集めたのです。
同じく2015年にリリースされた、日本刀を男性に擬人化した「刀剣男士」が登場するゲーム『刀剣乱舞―ONLINE―』の大ヒットという追い風も受け、鉄の展示館は同ゲームを愛する日本中の「刀剣女子」からも注目される施設となりました。