山下久美子「なぜか引き込まれてしまう」異色の映像作品「黄金伝説」とは(MusicVoice)
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今年デビュー40周年を迎えた山下久美子が、去る10月21日、3枚組記念アルバム『愛溢れて!Full Of Lovable People』をリリースした。そのアルバムはDISC-1がベスト・アルバム、DISC-2がライブ・アルバム。そしてDISC-3には、1984年にリリースされた異色の映像作品「黄金伝説」(初DVD化)が収録されており、その難解かつアヴァンギャルドな内容に反響となっている。
『「黄金伝説」・・・それは20世紀末に起こった摩訶不思議なお話。1984年リリースの7thアルバム「アニマ・アニムス」の楽曲で構成された、53分にも及ぶ全編ストーリー仕立てのビデオ・クリップ集』そんな説明が記されたこの映像作品について、少し触れてみたい。
1984年に制作された山下久美子にとっての7枚目のアルバム「アニマ・アニムス」は全曲後藤次利アレンジによる、当時の最先端のサウンド満載の革新的なアルバムであった。しかしながらこのアルバムは、その革新的さゆえ、発売当初は「赤道小町ドキッ」のヒットで獲得した多くの山下久美子ファンを困惑させてしまった。「あまり聞いたことのない音楽」、「リズムも複雑で、ライブでもどうやってノッていいのかわからない」などなど、様々な困惑の声が聞こえて来たのだ。
「せっかく作った力作アルバムのために、なんとかしなければ!」そんな思いから、アルバム収録曲全曲にビデオ・クリップをつけ、1つのストーリー仕立てにする!という斬新なアイディアが浮上した。これが「黄金伝説」となったわけだ。
ビデオ・クリップ(ミュージック・ビデオ)は、近年こそアルバムプロモーションのためにも制作されているが、この作品がリリースされた当時は、シングル楽曲のプロモーションのために制作されることがほとんどであった。そんな時代に作られたこの「黄金伝説」は、長編音楽映像作品というだけでも、大変稀有な作品だったのである。
それに加え、ミクロネシア連邦のポンペイ島(当時はポナペ島と表記)に数週間滞在してのロケを敢行。素晴らしい自然の色彩と、テクニカル的な色彩が交差し、印象的な映像を作り上げた。肝心なストーリーは故・景山民夫氏が手がけ、なんとも言えない不思議な世界観を構築している。更には特別出演で故・植木等氏も出演という、かなり見どころ満載の作品である。
実際発売された際は、