解禁ムードの今伝えたい「隙を突くウイルス」の本質(前編) 西浦 博×川端裕人(中央公論)

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川端》GoToキャンペーンの本格化や国際的なビジネス移動の解禁が始まりましたが、大丈夫なのでしょうか。 西浦》感染予防の観点からは、これらは決してよい要素ではありません。私自身はこれまで「感染者が増えた場合の備えがない限り、移動の解禁は困る」と、リスク軽視を危惧する立場から発言をしてきました。でもGoToをやるとなれば、私たちがいくら「ダメです」と訴えたところで、経済的理由で始まってしまう。だとしたら一歩大人になって開き直り、専門家として何ができるかを考えるしかありません。その認識でさまざまな人たちが水面下で手を取り合い、GoToで感染者が増えた場合に詳細を分析できる環境を整えてきたのです。それは内閣官房のアナウンスにも多少反映されています。重症化リスクの高い比較的高齢な方たちが集まって地方へ出かけ、宴会を開くのはNGだけど、四人家族が車で近隣県へ旅行するのは気をつけて感染対策をしつつであれば大丈夫ですよ、と。一人ひとりが賢くなって注意を守れるのなら、それに越したことはありません。  国際移動についても、二週間の行動計画が正確に把握できるとは思えないし、二週間を空港付近で過ごしてもらうのも、全接触者に毎日検査をするのも、難しいでしょう。こんな場合こそ、研究者の出番ではないかと思っています。旅行者の接触・行動履歴や、ハイリスクコンタクトの観察記録を集めて管理・分析できれば、どんな旅行行動が危険なのかが分析できます。そこから感染流行中の国際移動については、ここに気をつけてくださいという大まかなガイドラインを作ることができる。そうすれば、たとえ不十分でも可能な範囲の経済活動をしながらこの感染症とつきあっていくことができるかもしれない。政策提言をされる分科会の先生方は、なんとかポジティブな方向を見つけようとしているのだと思います。

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(2020/11/20)