日置市5人殺害 被告の母親が証言「抱きしめてあげればよかった」(MBC南日本放送)
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鹿児島県日置市でおととし、親族ら男女5人が殺害された事件の裁判員裁判で20日、母親が被告の生い立ちを証言しました。「息子が精神的に参っている時に抱きしめてあげればよかった」。言葉を詰まらせながら思いを語りました。
(被告の母親)「短気なところもありましたが、やさしくて素直な子でした。友人を守る正義感もあって」
別室にいる被告の母親とビデオ通話で結んで行われた20日の証人尋問。しかし、被告との生活は、やがて暴力への恐怖に変わったと証言しました。
岩倉知広被告は、おととし3月から4月にかけて、日置市東市来町湯田にある被告の祖母の住宅で、祖母や父親、親族ら男女あわせて5人の首を絞めて殺害した罪などに問われています。
岩倉被告は両親と妹との4人家族。中学生時代、大学に進学してパイロットを目指していたといいます。しかし、母親によりますと、被告が変わり始めたきっかけは高校1年の時の両親の離婚でした。母親と妹との3人暮らしとなり、被告は高校2年で自分の意思で突然、中退したといいます。
(被告の母親)「柔道仲間は自宅に(中退しないよう)説得に来たんです。理由を聞いても言わず、知広の人生が狂ったのは離婚のせいだと感じました」
その後、被告は自宅にひきこもりがちになり、県内外で仕事に就きましたが、長続きしませんでした。22歳で入った自衛隊も1年で辞めてしまいます。
(被告の母親)「自分に合っていると意気込んでいいたのに、何もかも嫌になった感じで。よっぽど嫌なことがあったんだと思いました」
自衛隊を辞めて自宅に戻ってから、被告に異変が起きたといいます。
(被告の母親)「夜中に外に出て大声を上げたり、『俺は盗聴されている、監視されている、自分の悪口を言われている』と言い出したりしました」
被告は次第に気性が荒くなり、ささいなことがきっかけで、家族に暴力を振るうようにもなりました。
(母親)「娘の腰の骨が折れたこともありました。顔や体を殴って蹴って…。暴力が怖くなりました。私は首を絞められ、次はない。次は本当に殺されると思い、知広を置いて、娘のいる大分へ行きました。何度も警察に通報したいと思いましたが、仕返しが怖かったんです」
被告と別々の暮らしを始めた母親。その4年後、事件が起きました。
(被告の母親)「犯人は知広だろうと思いました。私が我慢して一緒にいればよかった