和歌山・根来寺の展示施設、21日全面オープン(産経新聞)

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 和歌山県内屈指の名刹(めいさつ)・根来寺(ねごろじ)(岩出市根来)の境内から発見された遺跡の展示施設が21日、旧県議会議事堂そばに全面オープンする。一部は今年4月にプレオープンしていたが、今回は新たに、実際の階段遺構の上に精巧に再現した大規模複製なども公開。県教委の担当者は「本物にできる限り近づけた。楽しんでほしい」と話している。  グランドオープン前の16日、報道関係者向けの内覧会が開かれた。  展示施設は全体が約700平方メートル。ほぼ半分が4月にプレオープンし、半地下式倉庫の再現レプリカや出土品の複製などを展示していた。  今回オープンするエリアでは、発掘調査で出土した実際の階段遺構の真上に、GRC(ガラス繊維強化セメント)を使用した複製を完成させた。傾斜状で、幅4・2メートル、奥行き6・7メートル、高さ3・7メートル。  階段遺構は当時、丘陵にある子院につながる階段として使われたとみられ、複製では実際の階段や通路を忠実に型取り、石垣沿いにある溝なども精巧に再現した。  県教委によると、GRCは当時の石材の質感を表現しやすく、紫外線や風雨にも強い特性がある。GRCを全面に使用した遺構の複製は全国的にも珍しいという。  担当者は「遺構は一般に現地説明会後は発掘場所を埋めてしまうケースが多いが、施設では最新技術を使って、実物そのもののような複製で分かりやすく説明している。当時の歴史を学んでもらえれば」と話している。  県教委によると、根来寺は高野山で真言密教を修めた平安時代後期の僧・覚鑁(かくばん)が開いた。特に戦国時代に繁栄したが、天正13(1585)年、羽柴(豊臣)秀吉の「紀州攻め」で一部を残し消失した。  昭和50年代の本格的な発掘調査で、天正期の兵火によるとみられる焼土層から中世の遺物が大量に発見され、保存状態も良いことが判明。当時の僧侶が修行や生活の場とした子院が300以上あるなど、山内の姿も解明された。  午前9時~午後5時。入場無料。問い合わせは県教委文化遺産課(073・488・6504)。

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(2020/11/18)