熱血ノック半世紀 T-岡田も育てた 80歳「おばちゃん」の野球哲学 (産経新聞)

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 活動開始から半世紀近くになる大阪府吹田市の少年野球チームで、発足時から指導者としてグラウンドに立ち続ける80歳の女性がいる。子供たちから「おばちゃん」と呼ばれ、親しまれている「山田西リトルウルフ」の棚原安子さん。バットを片手に教え子にげきを飛ばす姿は、今も昔も変わらない。指導哲学は、野球を通じた人間育成だ。「まだまだ教えることがある」。傘寿を迎えても、情熱は尽きない。(宇山友明)  「サードいくで」「ゴロは体の正面で捕るんや」  11月上旬、吹田市立山田第三小学校で、棚原さんが小学5年の子供たちを相手に軽快にノックをこなしていた。「今は運動神経を鍛えられる時期。だからこそ子供らにはみっちりと練習をさせる」。浮かべる笑みからは、疲れをみじんも感じさせない。  中学、高校とソフトボール部に所属し、卒業後はシオノギ製薬女子ソフトボール部で三塁手として活躍した。引退後は同社で出会った長一(ちょういち)さん(82)と結婚し、4男1女を育てた。  転機となったのは、昭和47年。道すがら、壁にボールを当てて遊ぶ子供たちの姿が目に留まった。「この子ら、野球が好きなんやろうな。教えてあげたい」。子供たちに声をかけ、小学3年だった長男ら息子3人も加えた10人ほどで「山田西リトルウルフ」を結成。地元の小学校を拠点に夫婦で指導を始めた。  メンバーは次第に増え、最も多いときには200人以上が所属。巣立った教え子は1200人以上に上る。プロ野球オリックスで活躍するT-岡田選手もその一人で、「スイングも打球の飛距離も規格外で、将来が楽しみな選手だった」と懐かしげに振り返る。  現在のメンバーは小学1~6年生の計約130人。平成28年には全国大会に出場したほどの強豪だが、チーム方針は一貫して「野球を通じて社会で生きるための知恵や知識を身につけさせること」だ。  子供たちには各自でユニホームの洗濯や食事の準備、練習中の飲み物の用意をさせることを徹底している。また、地元の団地で行う月1回の新聞回収もチーム発足時から継続。作業で得たお金はチームの運営費にあてている。子供たちの自立心を育むことが狙いで、小学5年の伊勢弘将(こうすけ)君(10)は「野球だけでなく、人としての礼儀や常識も学べている」と話す。  棚原さんが子供たちに口酸っぱくして説いてきた言葉が、「葉っぱ一枚の努力を怠るな」

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(2020/11/18)