英EUまた「崖っぷち」 FTA交渉期限 漁業、規制などで対立(産経新聞)

【リンク先抜粋】
 【ロンドン=板東和正】欧州連合(EU)から離脱した英国とEUによる自由貿易協定(FTA)の交渉が難航している。今月中旬が交渉期限とされてきたが、両者は英周辺海域での漁業権や各種の規制水準をめぐって折り合えずにいる。英EU間で離脱前の関係が維持される「移行期間」は今年末に終わる予定で、両者はまたもや「合意なき離脱」の崖っぷちにある。  英側でFTA交渉を率いるフロスト首席交渉官は16日、ブリュッセルでEUとの集中協議を開始した。年末の「移行期間」終了に合わせてFTAを発効させるべく、週内に交渉をまとめられるかが注視される。FTA発効が間に合わなければ英EU間の貿易に関税が発生し、混乱と欧州経済への悪影響が不可避だ。  好漁場として知られる英周辺海域での漁業権をめぐって協議が難航している。EUの共通漁業政策の下では、加盟国は割り当てられた漁獲上限を守れば他国の排他的経済水域(EEZ)でも漁ができる。ジョンソン政権は英周辺海域を自国で管理する意向だったが、EUは従来通り操業する権利を要求している。  EUにすれば、同海域での操業はフランスやオランダなどの漁業関係者にとって死活問題だ。他方、英側では漁業関係者の大半がEU離脱派で、漁業をめぐる「主権」を取り戻すよう強硬に主張している。  英EUの協議では、「公正な競争条件の確保」も争点となっている。EU側は、各種の規制や税制、政府補助金をEUと同等の水準とするよう英国に要求。英国が規制を緩和・撤廃して安い製品を輸出すれば、EU企業に不利となる事情がある。英側は、規制を緩和して自由競争を促進したい考えだ。  ジョンソン首相は16日、「(交渉で)英国の地位を損なう提案は受け入れない」との声明を発表し、EUを牽制(けんせい)した。  一方、米大統領選でEUとの関係を重視するバイデン前副大統領の当選が確実になったのを受け、ジョンソン政権が今後の交渉で妥協するとの見方も広がっている。  米政治専門紙ポリティコ(電子版)は、英国とEUの交渉が決裂した場合、EU離脱に懐疑的だったバイデン氏が英国に悪印象を持つと分析した。そうなれば、英国が米国と進めるFTA交渉にまで影響が及びかねず、英国の譲歩要因となる可能性がある。  英政権をめぐっては、ジョンソン氏の側近で強硬な離脱派として知られるカミングス上級顧問が、権力闘争絡みと

続きはこちら

(2020/11/18)