「罪認めるのはハラキリ」仏テレビ連続インタビュー「ゴーン」独善独白(新潮社 フォーサイト)

【リンク先抜粋】
 最初に放送されたインタビューは、11月1日の民放局『TF1』の報道番組『7 à 8』。日曜日の午後7時から、1時間で3~4本のルポを流す番組で、ゴーンのものは「生涯逃亡者」という題名で12分間のインタビューであった。 『TF1』はもとは国営放送で、民営化の時に土木建設から出発して携帯電話などまでカバーする大グループになった「ブイグ」が買収した。  ゴーンは逮捕後、「ルノー」の社長時代に使っていた広報エージェントにマスコミ戦略をさせているが、テレビについてはずっと同局とそのニュースチャンネル『LCI』を優遇していた。1月8日にベイルートでおこなわれたゴーンの記者会見のあとも、すぐ事務所での独占インタビューをした。  日本のマスコミも参加していた会見でゴーンは、司法や日産は別にして日本と日本人は素晴らしい、ともちあげていたが、インタビューでは逮捕されると掌を返したような日本のマスコミ、世論への不満といった本音を吐いていた。  今回のインタビューは、ベイルートの自宅近くのホテルで行われた。別室では武装したボディガードが待機していた。そこでまず女性インタビュアーが問うたのは、 「逮捕や誘拐される恐怖はありませんか?」  であった。 「誘拐は、日本人のやり方ではないと思います。しかし、何が起こるかわからないので用心するに越したことはない」  ボディガードはゴーンが雇っているもので、 「べつに監視されているわけではありません。レバノンのどこへでも自由に行けます。私はレバノン、フランス、ブラジルの国籍を持っていますが、それらの国は、自国民を引き渡すことはしません。しかし、そこに行く途中でどこかの国で捕まって日本に引き渡されるリスクはある。それが嫌だからレバノンにいるのです」  とにかく、日本に戻りたくない。そこには、実利的な理由もある。 「現在日本で弁護士はうごいているのか?」  という問いに対して、 「日本では、物理的に存在していないと裁判はない。今一旦停止している。私が国内に戻らない限り、刑事訴追は停止している」  という。  フランスでは、本人がいなくても捜査がつづき、欠席裁判が行われるが、日本にいない限り安心して生活できるのだ。  1月8日の記者会見で、ゴーンは自分にかけられた容疑をすべて否定すると同時に、日本の司法の前近代性や人権無視を

続きはこちら

(2020/11/18)