脳とコンピューターを静脈からワイヤレス接続、考えるだけで機器を操作できる新技術が秘めた可能性(WIRED.jp)

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この試験は2名の被験者を対象に実施された。まず、先端にステントを付けたワイヤーを喉の奥にある頸静脈に通し、脳の一次運動野付近まで伸ばしてから振動を与える。すると血管の壁に触れた電極は、被験者の脳から発せられる「体を動かしたい」という信号をキャッチし始めたのだ。そして被験者の胸部に外科的に埋め込まれた赤外線送信機を介して、この信号がワイヤレスでコンピューターに送信されたという。 この臨床試験を手がけたオーストラリアと米国の研究者たちが医学誌『Journal of NeuroInterventional Surgery』に掲載された論文で説明したところによると、ふたりの被験者には「ルー・ゲーリック病」とも呼ばれる筋委縮性側索硬化症(ALS)による身体麻痺があった。ところが、この装置を使って脳の動きだけでテキストを送信したり、インターネットを操作したりすることに成功したという。 「自己拡張型ステント技術は、ほかの疾患に対しても心臓外科と神経外科の両方で十分な治療効果を上げています。ステントの自己拡張機能を応用した上で、先端に電極を取り付けたのです」と、介入神経科医のトーマス・オクスリーは語る。彼はこの技術の商業化を目指すSynchronの最高経営責任者(CEO)でもある。「ステントの挿入は容易で、患者はほんの数日で退院できます。設定不要ですぐに作動する“プラグ&プレイ”な術式なのです」 被験者たちは退院後、自宅での訓練を義務づけられた。ステントの先に取り付けられた電極が脳からの信号をキャッチしても、その信号が何を意味するかは機械学習アルゴリズムを使わなければ解明できない。ほかの条件が整っていても、脳の反応だけで心の動きを読み取ることはできないのだ。 しかし、数週間の訓練を終えると、患者たちはふたりとも視線の移動でカーソルを動かし、念じるだけでクリックできるようになった。体内の装置を使いこなせるようになったのだ。

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(2020/11/17)