奈良・楓ちゃん事件16年 父親が手記「悔しさ消えることない」(産経新聞)

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 奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)写真(遺族提供)=が誘拐、殺害された事件から、17日で16年となる。楓ちゃんの父、茂樹さん(46)が現在の心境について、奈良県警を通じて手記を公表した。  楓が被害にあって16年が経ちます。何年経っても楓の命を守れなかった悔しさは消えることはありません。新しい自転車にも早く乗りたかっただろうし、母親や妹にも会いたかったはず。大切な楓の未来を奪われた悲しみは癒えることはありません。  「いってきます」と毎朝メールを送ってくれていた楓。この日常であったメールが楓との最後のやり取りでした。妹にいつも寄り添い、本当に仲のいい姉妹で、いつも元気いっぱいの笑顔でいるはずの光景が、日常から無くなるなんて思いもしませんでした。このようなつらい思いは誰にもしてほしくありません。  楓の事件を受け、警察官や教師を目指したり、犯罪をなぜ起こすのかを知るため心理学を学んだりといった話を聞き、7年という短い人生でしたが、楓は私たちの心の中で今も生き続けています。  地域や学校、警察や行政もコロナ禍の中での新しい見守り活動に取り組まれています。人とのつながりが絶えることなく、子ども達の未来が守られる社会を心より願います。 (表記は原文のまま)  小1女児誘拐殺人事件 平成16年11月17日、奈良市立富雄北小1年の有山楓ちゃんが下校中に行方不明となり、翌日に奈良県平群(へぐり)町で遺体が見つかった。奈良県警は同年12月、元新聞販売店員、小林薫元死刑囚を逮捕。奈良地裁が18年に死刑を言い渡した。弁護側の控訴を本人が取り下げて刑が確定。本人はその後再審請求したが、最高裁は特別抗告を棄却、25年2月に刑が執行された。

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(2020/11/17)