介護苦殺人や予期せぬ妊娠、孤立する若者を支援する神戸市の決意(Lmaga.jp)

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「ヤングケアラー」という言葉をご存じだろうか。親や高齢の家族の世話·介護をする、若者のことだ。生活のメインが介護になり、自身の勉強や進路に影響が出かねないことから、社会問題のひとつになっている。 【写真】相談窓口のチラシ 2019年10月、祖母の介護と仕事の両立に疲れ果てた神戸市の当時21歳の女性が、祖母を殺害してしまう事件があった。親戚が介護に非協力的だった背景もあり、2020年9月の裁判では「強く非難できない」として懲役3年、執行猶予5年の判決が下っている。 事件を重く受け止めた神戸市は、11月11日の市長定例会見で、ヤングケアラーの支援に向けたプロジェクトチームを発足させると公表した。 久元喜造市長は、事件の判決前から問題意識を抱いていたといい、これまでに関係部局の幹部や実務にあたる職員と意見交換し、「支援者などの意見を聞き、年内に何らかの方向性を示したい。2021年度の予算に組み込めれば」としている。 福祉局政策課の笠原良之課長も、「以前から『老々介護』など、介護をする人全体の負担は課題とされてきたが、最近はヤングケアラーが出てきているという現場の感覚はある」とし、社会経験の少ない若者は相談先がわからず孤立しがちであると示唆した。 また会見で、神戸市内の23歳の女性が就職活動で訪れた羽田空港(東京都)のトイレで出産し、そのまま殺害して都内の公園に子どもを埋め、逮捕された事件(11月1日)にもふれた久元市長。 「2つの事件の状況や背景はまったく異なるが、共通しているのは、相談する人がおらず、家庭や地域社会で孤立していたことではないか。若者が声を上げにくい状況で、現在は行政や支援団体も情報がキャッチしにくい」と述べた。 なお、思いがけない妊娠についてはすでに相談窓口(兵庫県と神戸市の共同事業)があり、夜間の電話相談に加え、メールやLINEにも対応。 これについても久元市長は、「窓口をしっかり周知し、相談しやすい体制を作っていきたい」とし、「厳しい状況に置かれた家庭の相談に乗ってきた職員ほど、問題の難しさを感じている。それでも行政として、必要な人に必要な支援ができるよう、模索していきたい」と決意を見せた。 ただでさえ少子化が叫ばれる日本。未来をつくる若者が犠牲にならないような社会が急がれる。 取材・文・写真/合楽仁美 ●不安や悩みを抱える若

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(2020/11/17)