「ストレスに強い人」って、どんな人?(教員養成セミナー)
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さて、みなさんの身近にいる人を思い出してみてください。過酷な状況に置かれてしまったとき、ひどく落ち込む人もいれば、どことなく涼しげな表情で事態を受け止める人もいるのではありませんか? 両者の違いは何でしょうか。同じように深刻な状況にあっても、なぜ深刻にならずに済む人がいるのでしょうか。
それは、精神的な柔軟性や回復力があるからなのです。これを「レジリエンス」と呼びます。たとえば、辛い体験をした時に「今日が最低」と思えば、明日にはもう少し良くなっているはずと考えられます。嫌なことが起こったら、「新しい展開をみせたぞ」、「どうなるか今後が楽しみだ」と捉えればよいのです。
とは言いつつ、それができないから私も悩んで落ち込んでしまっているのですが……。ここまで割り切れなくても、「今は辛いけれど、良いこともきっと起こるはずだ」と思うことが、この世の中で生きていくには必要なのではないでしょうか。
では、レジリエンスの高い人には、どのような特徴があるでしょうか。一つには、規則正しい生活をする中で、しっかりした「自分」を持っているということが挙げられます。周囲の状況が想定外に変化したとしても、それに影響されることなく冷静な判断ができるのです。日常生活はストレスになることばかりですが、そこで体験したことを明日への糧として生かしていけるのです。
ストレスを嫌なものとして避けるのではなく、自分の人生を彩るものとして捉え、有効活用できるようになるのが理想ですね。
今は新型コロナウイルスに対抗するために外出自粛が求められ、学校も休校になっているところが多くあります。学校はストレスが多いと言いましたが、学校に行かれないことも子どもたちにとって非常に大きなストレスになっています。1日でも早く終息し、子どもたちが学校に通えるようになることを切に願っています。
古川 聡
(国立音楽大学音楽学部教授)筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位所得満期退学。学術博士(筑波大学)
※『月刊教員養成セミナー 2020年7月号』
「なぜ !? どうして !? 子どもの行動で分かる 教育心理入門」より