教師がゲーム機を「一晩没収」!法的に問題ある?(教員養成セミナー)

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 学校は児童生徒の教育を行う上で必要かつ合理的な校則を定めることができます。教員は教育上必要のあるときは、児童生徒に懲戒を加えることができるため(学校教育法第11 条)、校則違反者に懲戒を加えることができます。さらに、校則違反者は「学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者」と評価でき、校長は懲戒処分ができます(学校教育法施行規則第26 条第3項第四号)。  そうすると、まずゲーム機の持込みを禁止する校則の必要性と合理性が問題になります。ゲーム機は学校の教育上必要なものではなく、勉強の妨げになるとする考え方も不合理ではないため、ゲーム機の持ち込みを禁止する校則は違法ではありません。  では、その校則に違反して持ち込まれたゲーム機を没収することはできるでしょうか。  前述のとおり、教員は校則に違反した生徒に対して懲戒を加えることができるため、ゲーム機の没収が懲戒として妥当かどうかが問題になります。  この点、刑罰の代表的な考え方として、比例原則があります。「目的と、それを達成するための手段にバランスがとれているか」という考え方です。例えば、授業中に一度だけ私語をした生徒を退学処分にするのは、生徒の私語を制止し、授業の秩序を維持するという目的に対して、退学になる生徒の不利益と権利侵害が大きく、手段がバランスを欠いており比例原則に反することになります。  それでは、ゲーム機を持ち込んだ生徒に対して、ゲーム機を一時的に没収するという懲戒はどうでしょうか。ゲーム機の一時的な没収によって、生徒が学校での勉強に身が入らなくなる状況を防ぐという目的は達成できます。一時的に没収した上で適切な時期に返却するのであれば、生徒のゲーム機に対する所有権を著しく侵害するとは言えず、生徒の不利益や権利侵害は小さいことから、バランスを欠いた懲戒とは言えません。したがって、ゲーム機を一時的に没収するという懲戒は妥当です。

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(2020/11/17)