コロナで登校できない子供の学習を教師はどこまでサポートすべき?(教員養成セミナー)

【リンク先抜粋】
 設例は、新型コロナウイルスと共存していく学校で、子供の感染リスクと学習権保障をどう調整すべきかという、極めて難しい問題です。  まず、保護者が感染不安から登校を控えさせるとした子供の出欠扱いが問題となります。前述のガイドラインでは、保護者が欠席させたい事情を聴取し、学校における対策を説明し、学校の運営方針への理解を得るよう努めた上で、「感染経路の分からない患者が急激に増えている地域であるなどにより、感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに合理的な理由があると校長が判断する場合には、指導要録上『出席停止・忌引等の日数』として記録し、欠席とはしないなどの柔軟な取扱いも可能である」とされています。つまり、保護者の理由に合理性があると校長が判断すれば、欠席扱いにしなくてもよいということです。保護者の理由に合理性があったとしても、校長の判断により欠席扱いにすることが違法になるかどうかは難しい判断になりそうです。  一方、登校できない子供への学習サポートは、学習権の保障の観点からすれば最大限に配慮すべき事項とも言えそうです。しかし、在宅での授業サポートといっても、個別サポートを行うことで教師に過度の負担が生じるのであれば、教師の労働問題を招くことになりかねません。私が担当する授業でも、休業中の遅れを解消するために、通学での授業とオンラインでの授業を併用しており、それぞれ別々の学習範囲の授業準備をしています。その労力はかなりのもので、オンラインの教材作成に慣れていない教師の場合、相当大変です。  もし保護者の理由に合理性があるとして校長が欠席扱いにしないのなら、正当な理由で登校できない児童生徒のために最大限の授業サポートをすべきです。しかし、仮に、教師に過度の負担が生じるレベルの授業サポートが必要になるのであれば、出席している児童生徒と同じレベルのサポートまで必要かは議論の余地があります。もちろん、児童生徒の学習権保障の観点からは、教師がオンライン教材に適応できるよう研鑽すべきですが、それにも限界はあるでしょう。  設例のようなケースへの対応は、(1)感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに合理的な理由の存在、(2)登校しない場合の授業サポートが教師にどの程度の負担を強いるものであるか、という2点から校長が総合的に判断することになります。 ※このコーナーに出

続きはこちら

(2020/11/17)