相手の心を解きほぐす対人スキル「自己開示」(教員養成セミナー)
【リンク先抜粋】
あなたは小学校1年生の担任になりました。ここは小学校1年生の教室、学級開きです。入学式は緊張で、ほとんど何も覚えていませんが、今日は担任する子どもたちの顔をしっかりと見て話すことができます。これから1年間、学校生活を共にする子どもたちと良い関係が作れるか、どのような学級になるか、上手に教えることができるのか、不安がいっぱいです。もちろん子どもたちも初めての学校、初めての先生にドキドキでしょう。「一緒に遊んでくれるのかな」「勉強は難しいかな」と期待と不安の目。その期待に応え不安を和らげるために、先生の最初の話は大事です。何事も、第一印象の良し悪しがその後を左右します。
「みなさん、おはようございます。私がみなさんの学級担任です。1年間、よろしくお願いします」。
こうした挨拶は誰でもするでしょう。その後、何を話しますか。相手が聞きたいことを察して話すのが自己紹介ですから、同僚の先生が相手の職員室での自己紹介とは変えなくてはいけません。
自己紹介の中で、「先生はトマトが好きです」と言ったら、1年生の子どもたちはどう反応するでしょうか。「ぼくも好き」「私は、あまり好きじゃない」などという声があがることでしょう。これを自己開示の返報性と言います。個人的な情報を伝えると、相手も自分の個人的情報を伝え返してくれることが多いのです。小学校高学年以降にもなると、なかなか素直に返報してくれませんが、学級開きでこうした言葉のやり取りをすることで親密な人間関係構築の基礎がつくられます。ですから、子どもたちから自己開示があったら、先生もぜひ返報を心掛けましょう。
もちろん、子ども同士も毎日の生活の中で自己開示とそれへの返報を繰り返します。名前を知り、互いの好きな遊びを知れば、休み時間に名前を呼び合い楽しそうに校庭に出て行ったりします。こうした姿も重要な情報。さりげなく見て、覚えておきましょうね。