日本一学校を回っている芸人が教える「笑いを生む教室」のつくり方(教員養成セミナー)
【リンク先抜粋】
矢島:というのは冗談だけど、今から話すことは1年を通じてのテーマにもなるよ。おそらくこのコラムを読んでいる人も、「教師になるなら、子どもに楽しい授業をしてあげたい!」と思っているはずなんだ。
野村:そりゃそうだよ。退屈な授業よりも、楽しい授業のほうが記憶にも残るしね。
矢島:そう思っている現役の教師ももちろん多くいて、その大半は授業のネタやノウハウ系の本を読み漁っている状態なんだよ。
野村:僕も教師を経験したけど、本当に忙しい中で授業研究もしていて、頭が下がります……。
矢島:でも、ここからが悲しい事実なんだけど、僕はこれまで多くの教師に、「そのうちの何割がうまくいってますか?」と聞いてるんだ。つまり子どもが笑ってくれた(ウケた)割合ってことね。
野村:なるほど、野球でいう打率ってことか。
矢島:そう。そしてほとんどの先生が「1割もいかない」と答えているんだ。
野村:ひょえー! これでは1軍には上がれない!
矢島:野球から離れろよ(笑)とにかく、どんなに子どもが喜びそうなネタを仕込んでも、実際はウケないことが多いってことなんだ。
野村:でも、それって何が原因なの? やっぱりやり方が間違ってるのかな?
矢島:うーん、やり方というよりも、やるタイミングといったほうがいいかもしれないな。
野村:タイミング?
矢島:例えば、コース料理が出るお店で、デザートも食べてお腹いっぱいって時に、ステーキを出されても「いや今じゃないだろ!」ってなるでしょ?
野村:まぁね(笑)ステーキが出ること自体は嬉しいはずなんだけどね。
矢島:これと一緒で、ネタというのは「ウケるタイミング」というものがある。スポーツをする時に準備運動をするのと同じで、子どもたちを笑わせたいなら、「笑わせるための準備」をさせるべきなんだ。
野村:なるほど! でも、その準備って何なの?
矢島:「笑いやすい雰囲気」を作ることさ。例えばお笑いの世界だと、ショーでネタがちゃんとウケるように、お客さんと関わったりするでしょ?
野村:「今日はどこから来たんですか?」とか「お笑いを観るのは初めてですか?」みたいな質問をして、お客さんと仲良くなってから本ネタに入るよね。
矢島:業界用語では「客いじり」というんだけど、ここで観客と演者の「共犯関係」を結んでからネタをやる方が上手くいくんだよ。
野村