妹ができた男子児童の元気がなくなったわけ―「防衛機制」(教員養成セミナー)

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 子どもの成長に従って、さまざまな防衛機制が見えてきます。  2年生にもなると、学校では勉強も本格的になり、宿題も増え、学校が楽しいだけの場所ではなくなってきます。得意不得意も少しずつ見えてきて、「算数はよくわからないけど体育なら!」とばかりに、体育の時間になると人一倍頑張る姿を見せてくれる子が出てきたりします。これは「補償」という機制です。得手不得手が自分でもわかっているからこそ起こる行為です。学年が上がっていくと、テストが思うようにできないときに、体調が悪かったと言い訳をしたりすることも出てきます。もっともらしい理由づけをすること、「合理化」と呼ばれる機制です。  仲間関係が明確になってくるのも2年生ごろからで、合わない子、嫌いな子が出てきます。「逃避」という関わりを避ける機制もありますが、常に避けていては人間関係の程よい距離感を学ぶことができません。また、学校では些細なことで喧嘩が起こるのも日常茶飯事。低学年では我慢がぷつんと切れて思わず相手を叩いてしまったりすることも多いものです。これは「攻撃」という機制です。担任はきちんと指導し、連絡帳にも書いて保護者に報告しなければいけません。そうなれば、子どもは帰宅後に親からも叱責されるでしょう。我慢しようにもできなかったという強い思いを誰にもわかってもらえないと、自分の部屋に入って椅子を蹴飛ばしたりします。これは「置き換え」という機制になります。担任としては、叩いたことを一方的に叱るだけの指導ではなく、そうせざるを得なかった気持ちを受け止めることが重要になります。  こうした防衛機制の現れ方は高学年になるとさらに多様になります。喧嘩による鬱憤を直接的な攻撃で晴らすのではなく、放課後のサッカーでいつも以上に頑張って走り回ってヒートダウンすることもできるようになります。これは「昇華」という機制で、社会的に望ましい行動でフラストレーションやストレスを発散する、やや高尚な方法です。さらにクラスに好きな子もできてきます。でも恥ずかしさのあまり、「反動形成」という機制が起こってあえて冷たく接してしまったりします。嫌いな子ができても、「嫌い!」と直接的な言い方をするのではなく、「私のこと、嫌いみたいなの」などと周囲に伝えることで良好な関係にないことを理解してもらう「投射」という方法が使えるようになると、もう大人ですね。  

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(2020/11/17)