不登校支援で教師は「伝書鳩」になるな! 教師の対人サバイバル術(3)(教員養成セミナー)
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■ 不登校は子供が「主役」
不登校対応で大切なのは、しっかりと手順を踏むことです。この手順を、今回は皆さんに伝授いたします。
(1)子供の話を聞きましょう。
この際に大事なのは、保護者を入れないこと。子供は保護者がいると、中々自分の気持ちを話すことができません。
(2)保護者の話を聞くこと。
保護者の話を聞く際も子供は入れないようにしましょう。
(3)最後に、子供と保護者の3人で話をしましょう。
この際に、大切なのは、子供から本当の気持ちを保護者に伝えてもらうことです。教師が、子供の気持ちを保護者に伝えてしまうと、子供は親に、自分の気持ちを伝えることがこの先もできなくなってしまいます。不登校は、子供が「主役」です。教師がやるべきことは、子供が自分の気持ちを伝えやすい場を作ることです。
しかし、保護者に気をつかって自分の気持ちをどうしても言えない子供もいます。その場合は、教師が代弁して保護者に伝える必要がありますが、「Aくんがこの間話してくれたことを先生が言ってもいい?」等、必ず子供の同意を得るようにしましょう。Aくんの思っていることと違うことがあれば後で訂正してほしいと伝えることも大切です。
三者面談で子供が気持ちを伝えると怒りだす保護者も中にはいます。その際は、保護者に「Aくんの話をちゃんと聞きましょう」と伝え、子供の話をしっかりと聞けるよう保護者を「育てる」ことも大切です。
■ 先生は伝書鳩になるな
先ほどは、子供が保護者に自分の気持ちを伝えられないパターンでしたが、逆のパターンもあります。この際によくあるのが、「先生、子供に伝えておいてください」と保護者が先生を「伝書鳩」にするパターンです。そして、子供に自分の気持ちが伝わらないと「どうしてちゃんと伝えてくれなかったんだ」と怒りだします。このように、先生が伝書鳩になってしまうのは、家庭のディスコミュニケーションを促進させるだけでなく、先生を疲弊させることにも繋がります。先生は自己防衛のためにも、伝書鳩になるのは避けましょう。
文部科学省が発表している問題行動調査では、小学校の不登校の55.5%は、家庭に関わる状況が原因となっていることが示されています。教員は子供たちの学校での行動から、家庭の様子も想像し、不登校を未然に防げるよう些細な変化に気が付けるよう取り組むことが大切です。