「和歌山の山猿」益田直也は子供っぽいのが欠点だった【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】#40  前回、「石川歩は涌井秀章が移籍したことで自覚が出てきた」と書きました。ロッテでいま、抑えをやっている益田直也(31)も同じです。  和歌山県紀の川市出身で、幼少期は山の中で育った野性児。みんなから「おまえ、和歌山の山猿だろ」といじられていましたが、山育ちだけに足腰は強靱。都会っ子が弱いとは言いませんが、やはり、子供の頃に培った下地は無視できません。 ■結果で態度が露骨  問題は性格でした。僕がロッテのコーチに就任した2015年、益田は大卒4年目で、結婚して子供もいました。しかし、「抑え」というポジションを考えると、まだまだ幼い部分がありました。  僕もクローザーが長かったのでわかりますが、このポジションは抑えようが打たれようが、どんな時でもマウンド上では顔色ひとつ変えず、試合後も露骨に態度を変えてはいけないのです。  もちろん、クローザーだって人間です。抑えたらうれしいし、打たれたら悔しい。でも、成功したときは陽気にはしゃぐけど、失敗したらイライラして無口になる……これでは他の選手に信頼してもらえない。これはクローザーだけではなく、他のポジションも、そして野球以外の仕事にも共通することではないでしょうか。最後のマウンドに上がって試合を締める抑えは、なおさらこの心構えが重要だと思うのです。  その意味で、益田は子供っぽいところがありました。以前は打たれると、すぐに表情を変えていました。僕も「そういう癖は直した方がいいよ」と注意しましたが、人の性格はなかなか変わりませんからね。 ■涌井がつくった伝統  そうした悪癖が、今は見受けられない。そう考えると、常に背中で見せていた涌井がつくった「伝統」がいかにありがたいか。涌井は常にポーカーフェースですから。  僕がルーキー時代の1999年は園川一美さんの現役最終年。小宮山悟さんはベイスターズにFA移籍する前年です。そんな先輩方が、誰よりも熱心に汗を流している。僕ら若手はそんな彼らの練習風景、立ち居振る舞いなどを見て、「同じ質、量の練習ではこの人たちを抜けない。もっともっと努力しなきゃダメだ」と気が引き締まりました。それがプロ野球におけるチーム内の「伝統」なんです。  そういえば、先日、小宮山さんが監督として指揮を執る早稲田大学が、六大学の秋季リーグで優勝

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(2020/11/17)