【食糧供給】製油業界 需要激変で舵取り難航 再びコスト上昇局面に(食品新聞)

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 表は今年1-9月の原料処理量(搾油量)、油脂・ミールの生産・在庫量の推移だが、5月以降、原料処理量が前年を下回る中で、油脂の在庫は増加傾向にある。一方で連産品のミール(油かす)の需要は油脂ほどの波動はなく、国産ミールの減少をカバーする形で輸入ミールが増加し、製油各社は難しいオペレーションを強いられている。  外食市場は徐々に回復傾向にあるが、しばらくは厳しい状況が予想される。家庭用の伸長は追い風だが、物量ベースで7割を占める業務用・加工用をカバーすることは難しい。さらに夏以降、大豆・菜種の原料相場が反転上昇し、搾油採算の悪化が懸念されている。シカゴ大豆相場は2年半ぶりに11ドル水準に急騰し、菜種もトン500ドルを突破。下期以降、油脂コストの上昇が避けられない展開で、製油各社の収益環境は一層厳しさを増している。  テイクアウトや宅配の拡大も含め、外食市場の早期回復が焦点となるが、新たな生活様式のもとで、以前と同じ状況に戻るかは不透明だ。対面業界が厳しい中、今後の油脂コスト上昇に製油各社は危機感を強めている。  また、中長期的な視点では、人口減少などを背景に国内市場の需要変化のスピードが、今回のコロナで早まる可能性もある。世界的な食糧問題や環境対応、国内では物流危機などの難題が山積する中で、わが国の食を支える油脂とミールの安定供給をいかに確保していくか。折しも、コロナ禍の3月末には日清オイリオグループとJ―オイルミルズの2大メーカーによる製油事業の川上領域における業務提携が合意した。本格的な取り組みはこれからだが、製油業界はアフターコロナも見据えた変革の只中にある。

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(2020/11/17)