7~9月期GDP反動増「10万円給付が後押し」 中国経済回復も追い風(産経新聞)

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 令和2年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、一律10万円の特別定額給付金の効果で家電、自動車といった耐久財の消費などが改善し、輸出も中国経済の急回復を追い風に伸びた。ただ、足元では国内外で新型コロナウイルスの感染が再び拡大。年末に向け自粛ムードが改めて強まれば、日本経済の回復にブレーキがかかる。  「巣ごもりやテレワーク(在宅勤務)需要に加え、10万円の給付金が後押しになった」  家電量販大手、上新電機の日本橋店(大阪市)の売り場担当者はテレビやパソコン、ゲームなどが売れているとし、理由をこう説明する。好調は春先から続いており、同社全体の今年4~9月のテレビの売り上げは、消費税増税の駆け込み需要があった前年同期から約15%増えた。  外出自粛が和らいだことに加え、7月に始まった政府の観光支援事業「Go To トラベル」も一定の効果を見せた。全国でチェーン展開する高級ホテルは、緊急事態宣言が出された4、5月に客室稼働率が10%台半ばまで落ち込んだが9月は40%程度まで大きく改善した。  もっとも、足元で再び国内の感染者数が増えている上、「給付金効果が一巡しつつある」(上新電機)。雇用環境も悪く、企業の今冬の賞与について三菱UFJリサーチ&コンサルティングは前年より10・7%減額されると試算。「ボーナス商戦」が盛り上がるか疑問だ。  海外での感染拡大で、観光業界が多くを頼るインバウンド(訪日外国人客)も戻るめどが立っていない。  製造業も打撃を受けている。ソニーは半導体事業で当初、今年度までの3年間で7千億円を投資する計画だったが、いったん6500億円に修正し、さらに6100億円程度まで引き下げた。  そんな中、中国経済が回復を牽引(けんいん)し始めている。資生堂は中国向けが販売好調といい、魚谷雅彦社長は「そこそこ良い評価をしている」と話す。貿易統計によると、7~9月の中国向け輸出は前年比約5~14%の伸び。スマートフォン向け半導体などの電子部品や金属が引っ張った。  今後、対中輸出を左右するのは米中貿易摩擦で中国経済が悪化するかだ。りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領がどんな対中政策をとるか不透明だ。その政策次第で、中国経済の足腰が試される」としている。

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(2020/11/16)