時速は約37キロ 「銀河」の旅情を演出する遅さ 「運転停車」という妙味(産経新聞)

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 定期運行されている唯一の夜行列車「サンライズ瀬戸・出雲」。時刻表に掲載されている東京発下りのダイヤは1時12分に浜松を出ると5時25分着の姫路までノンストップになっているが、実際には豊橋、米原、大阪で停車している。3時台の米原では乗務員がJR東海からJR西日本に交代し、4時台の大阪でも運転士が交代するからだ。ホームに止まってもドアは開かず、客は乗り降りできない。これを「運転停車」といい、市販の時刻表には掲載されていないが、列車の運行には欠かせない。 【写真でみる】「ウエストエクスプレス銀河」の時刻表  客扱いをしない運転停車は乗務員交代のほか、単線区間の行き違い、電化区間から非電化区間に入るための機関車の付け替えなどの場合も行われる。  JR西が新しい形の長距離観光列車として9月11日に運行を開始した「ウエストエクスプレス銀河」。関西と山陰を夜行列車として結んでいるが、このダイヤにも「運転停車」がふんだんに盛り込まれている。  「銀河」が表紙になっている「JTB時刻表 2020年6月号」(JTBパブリッシング)を開いてみよう。「銀河」の時刻が載っている。みどりの窓口で指定券が買える一般の列車として5月から運行予定だった時点での掲載だ。新型コロナウイルスの影響で運行開始が4カ月遅れた上、販売取り扱いは旅行会社のみのため、現在の時刻表に「銀河」は載っていない。  6月号掲載の時刻をよく見ると「銀河」の遅さに気付く。京都から新大阪まで新快速なら23分のところ、52分もかかっている。この区間の2駅で早くも運転停車しているのだ。京都を出てわずか4分後の京都貨物駅で4分、茨木(大阪)で14分止まり、京都を後に出た新快速や特急「サンダーバード」をやりすごす。いつの間にか後続列車が先行しているダイヤを見つけ、「運転停車」の存在をあぶり出すのも時刻表を読む楽しみのひとつだ。  「銀河」が走行する営業キロは440キロ。限られた距離で汽車旅を楽しんでもらうため、約12時間かけて走る。単純計算の時速は約37キロだ。ただ、本線上を低速で走ると後続列車の運行の妨げになる。そこで必要になるのが、駅の待避線などで行う運転停車。JR西は運転停車の理由について「定期列車の通過待ち、夜間工事の時間確保、目的地の到着時刻の調整」を挙げる。これらをすべて満たすダイヤの設定には大変な苦労があった

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(2020/11/14)