コロナ禍の中小企業経営者に必要な「小さくなる能力」とは何か(ダイヤモンド・オンライン)
【リンク先抜粋】
● 「QPS」に照らして 考えてみる
お客さまの満足はQPS=Quality(品質)、Price(価格)、Service(サービス、その他)の組み合わせで決まりますが、Go To トラベルキャンペーンにより、お客さまから見たPrice(価格)のハードルが下がったため、ホテル側には短期的に値上げをする余力ができました。値上げの是非を問う声もあるとは思いますが、私はお客さまから見たQPSに問題がなければ構わないと考えています。
加えて、大阪のホテル経営者は、Go To トラベルキャンペーンにより利用客数が増加する状況にもかかわらず、しばらくはアルバイト従業員を補充することはしなかったようです。普段は別の部署で働いている社員が朝食会場を手伝っていたことからも、それがうかがえました。
キャンペーンの対象期間は、今年7月22日から来年1月31日までの予定ですが、延長される可能性も出てきています。一方、予算の消化状況によっては終わる時期が変わるかもしれません。また、ウイルスの感染再拡大も懸念されており、今は多数のお客さまが訪れていても、お客さまが急減する可能性もあります。ホテルとしては、そういったさまざまなシナリオを考慮して、現状の判断を下したのでしょう。
中小企業経営者は、このように環境の変化をつぶさに分析してQPSの組み合わせを柔軟に変えたり、人手のやり繰りを臨機応変に行ったりする必要があります。
資金繰りに関しても同様です。ANA(全日本航空)は2021年3月期の連結最終損益を5100億円の赤字という見通しを発表し、大リストラを進めています。それができるのも、先に1兆円の資金調達を発表し、さらに劣後ローンで4000億円を調達して財務基盤を強化することができるからです。
● 中小企業経営者が避けるべき 3つの「すぎる」とは?
中小企業の場合は、上場している大企業ほどには簡単には資金調達ができないため、(今さらではあるのですが)景気のいい時に、(1)資産を抱えすぎる、(2)人員を抱えすぎる、(3)借金を抱えすぎる、の3つの「すぎる」を避けておくべきです。過大な設備投資をする、さらには借金を抱えすぎると、会社が危機に直面したときに「小さくなる」ことができません。そうなると、無理をしてでも売り上げを維持しなければならず、損失が拡大して泥沼に陥る恐れがあり