『恋する母たち』タイトル以上に“ありえない”展開に、ツッコミが止まらない(週刊女性PRIME)

【リンク先抜粋】
 まず、吉田扮する優子が部下の赤坂剛(磯村勇斗)とオフィスのエレベーターに乗っていたところ、停電が起こる。エレベーターは停まり、密閉空間に長く閉じ込められた2人の距離は一気に縮んだ。けれど、2人のオフィスは新しいビル内にあるので、現実ならばエレベーターに備えられた停電時バッテリーが稼働し、最寄りの下階へ運ばれるはず。  昭和のドラマでは男女を接近させる手段として多用された停電によるエレベーター停止だが、令和らしい2人の近づけ方はなかったのか? いや、そう見る側に思わせるのが、このドラマの仕掛けであり、おそらく妙味の一つでもあるのだろう。    これにとどまらない。仲が演じるまりの夫・蒲原繁樹(玉置玲央)は、同じ法律事務所の弁護士・山下のり子(森田望智)と不倫している。まりも売れっ子落語家の今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)と不倫を始めようとしたところ、車中でのキスシーンをのり子に見られてしまう。    のり子は繁樹の正妻の座を欲しがっているため、この目撃に小躍りした。だが、東京・銀座の地下駐車場でたまたま遭遇するという筋書きなので、視聴者としては「そこまでの偶然、ある?」と、やはりツッコミを入れたくなる。お互いが出くわす可能性は天文学的な確率であるはずだ。    その後、のり子は週刊誌にタレコミ電話をかける。まりの不倫が世間に知れたら、繁樹との離婚に至ると考えた。ところが、電話を受けたのは杏に好意を寄せている記者の斉木巧(小泉孝太郎)。杏とまりは友人だと巧は知ったため、タレコミは握り潰される。まりは窮地を救われた。  こうなると、もはや神がかりな巡り合わせである。このドラマに向かって「あり得ない」と目くじらを立てるのは無粋なことなのだと思うようになる。その境地に達し、おおらかな気持ちでツッコミを入れられるようになってこそ、初めてこのドラマが隅々まで味わえるようになる気がする。  優子は一緒にエレベーターに閉じ込められた剛と京都へ出張する。ところが、本来は女性の部下を伴う予定だったため、予約されていたホテルの部屋はツインが1室。剛はほかのホテルを取ろうとするが、空室が見つからない。最終的には優子の判断で同室に泊まることになった。  優子は部屋に入った途端、「何もしないでよ」と釘を刺したが、ここで再び見る側は「それ、本心?」とツッコミを入れる。剛はそれまでにも優子に対し

続きはこちら

(2020/11/13)