「時代屋の女房」 意外なヒットで続編制作が決定したが…舞台裏ではとんだドタバタが(夕刊フジ)

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 【あの日から35年 夏目雅子という大輪】  原作は村松友視の小説で第87回直木賞を受賞。続編が2つあり、そのためかこの正編は文庫化の折『時代屋の女房・泪橋』と改題された。 【写真】その美しさで今も多くの人の記憶に残る夏目雅子  主演で2役を演じた夏目は小3のとき、テレビドラマ『チャコちゃんハーイ!』(TBS系)を見て女優になりたいと思ったが、母に猛反対された。しかし『ひまわり』のソフィア・ローレンに憧れて再び女優を目指したという。  舞台は東京・大井町の古美術屋「時代屋」だが、この店は実在した(後に区画整理のため広尾に移転)。営むのは独身の安さん(渡瀬恒彦)という35歳の独身男性。そこに現れた真弓(夏目)という女性との恋物語。  森崎東監督は「シナリオを作らなくて映画を撮るというのは、映画を撮っている気がしませんね」と語っている。実際には荒井晴彦と長尾啓司に加え、森崎監督の名もクレジットされているが、どうやら先のふたりにシナリオの主導権を奪われたのが真相らしい。  真弓を捜しに岩手の宿まで来た津川雅彦と平田満のやり取りが絶妙という意見が多かった。傘、歯ブラシ、涙つぼ、犬の置物、トランクといった小道具の使い方に森崎のセンスが光る。  最初、併映として根岸吉太郎監督の『俺っちのウエディング』が予定されていた。が、なぜか急にリバイバルの『蒲田行進曲』に変更され、『俺っちの-』はゴールデンウイークへ回された。  『キネマ旬報』では当時、監督も配役も派手さがない2本では配給収入はせいぜい3~4億円と予想を立てていた。が、公開してみれば9億円というそれなりのヒットになりうれしい誤算に。  このヒットに味をしめた松竹は1985年に長尾啓二監督で『時代屋の女房2』を作った。しかし、舞台裏ではとんだドタバタが。  というのは、85年2月に夏目がバセドー病の手術で秋まで入院しなければならなくなったから。そこで代役は名取裕子に白羽の矢が。ところがその前に名取は『ひとひらの雪』のヒロインに決まっていたから、そちらの製作陣は大混乱に。  結局、『ひとひらの雪』の代役は秋吉久美子に落ち着いたが、とんだ玉突き人事となった。  映画がヒットしたらしたで、すったもんだが起きるようだ。(望月苑巳)  ■夏目雅子(なつめ・まさこ)1957年12月17日~85年9月11日、27

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(2020/11/12)