札幌で新型コロナ感染急増 「病床逼迫も」強い危機感(産経新聞)
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新型コロナウイルスの感染が急拡大している北海道で10日、新たに166人の感染が確認された。100人超えは6日連続だ。このうち126人が確認された札幌市では、国立病院機構「北海道医療センター」(西区)や特別養護老人ホーム(特養)「ドリームハウス」(南区)など4件のクラスター(感染者集団)が発生。想定を上回る感染拡大に対応が追いつかない状況も生じ、関係者は強い危機感を抱いている。(寺田理恵)
「11月で何としても抑え込んでいくという強い思いで、立ち向かっていきたい」。10日、官邸で菅義偉首相と面会し、新型コロナ対策の支援を要望した北海道の鈴木直道知事は、厳しい表情でこう語った。
札幌を中心に増え続ける感染者。懸念されるのは、医療現場のクラスターだ。市によると、北海道医療センターの感染者は看護師9人と入院患者3人の計12人。緊急性の高い手術などに対応する3次救急病院で、長期にわたり重症者を含めた感染者の受け入れをしていた。
その後、結核患者の受け入れに対応するため一時受け入れを中断したが、最近の感染状況を踏まえ、受け入れ再開の準備を行っていたところだった。市の担当者は「各医療機関と協力しながら病床を確保しているが、一定のスピードで増えれば逼迫(ひっぱく)する可能性がでてくる」と懸念を示す。
特養のドリームハウスの感染者は入所者46人と従業員10人の計56人。重症化の恐れがある要介護度の重い高齢者が入所しているが、「一度に入院するのは難しい。優先度をつけ、必要性の高い方から入院してもらう」(市担当者)という。
軽症や無症状者の宿泊療養施設(札幌市南区)への入所調整も遅れている。担当者は「対象者が120人程度であれば即日か翌日に入所できるが、想定を超えた」と説明する。
この状況を受け、道は宿泊療養施設を現在の1棟約670床に加え、新たに1棟約330床(同市中央区)の増設を決定。病床も、札幌市を含む道央で現在の358床(うち重症55床)から541床(同69床)に増やす方針だ。
これまで病床数の少なかった道北でも、旭川市で病院クラスターが発生するなど感染者が増えていることから、現行の61床(同19床)から172床(同26床)に増やす。「病床に余裕がなくならないよう早めに広げる」。道の担当者は、こう話している。