RCEP、計算違いの「インド抜き」 中国存在感突出のおそれ 日本の農産5項目は除外へ(産経新聞)

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 11日に閣僚会合が開かれる日本や中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加する東アジア地域包括経済連携(RCEP)はインドの不参加が決定的となった。15日の首脳会合ではインドの将来的な参加への道を残す見通しとはいえ、中国の存在感が突出するおそれをはらみ、日本にとって計算違いの結果となったことは否めない。合意案では、日本が輸入する農林水産・食品のうち、コメや麦など重要5項目は関税の削減や撤廃の対象から除外される見通し。合意後の日本の外交手腕が問われる。  RCEPは11日開催の閣僚会合で関税の撤廃や引き下げ、外資規制の撤廃・緩和など20に上る項目の内容を最終的に詰め、15日の首脳会議で合意、署名の運びとなるもようだ。  ただし日本にとってRCEPの合意は苦みを伴ったものになるといえる。  日本は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)合意後、中国や韓国、インドなどTPP非加盟国も取り込む形となるRCEPを推進。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)も成し遂げ、世界的に保護主義の傾向が強まる中、オープンな自由貿易体制づくりで世界をリードしてきた。  RCEPも16カ国での枠組みにできれば、日本の経済外交の手腕への評価をさらに高めるチャンスだったが、厳しい状況だ。  日本政府内にはRCEPについて「中国が正当であると主張する枠組みにさせられたらだめだ」との警戒感がある。また、ある政府関係者は「インドの対中警戒心、中でも政治や軍事ではなく、経済的な深刻度の度合いを捉え切れていなかったのではないか」と振り返る。  合意案ではまた、日本側が輸入する農林水産品の関税撤廃率は、TPPやEUとのEPAよりも低い水準に抑えられる。初めてのEPAとなる中国からの輸入に対する関税の撤廃率は56%、韓国は49%とする。ASEAN諸国やオーストラリア、ニュージーランドは61%に設定する。  今後の焦点はRCEPの枠組みの中で、中国を牽制(けんせい)しつつ、国をまたいだ広域的なサプライチェーン(供給網)の実現や、通関コストの大幅な低減などで真の自由経済のネットワークを構築していけるかどうかだ。今後の日本のかじ取りに注目が集まる。(那須慎一、森田晶宏)

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(2020/11/10)