バイデン外交3本柱は「多国間主義・同盟重視・指導力の回復」(産経新聞)

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 【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領が9日、外交に動き出した。その外交・安全保障政策は、トランプ大統領が唱える「米国第一」主義を否定する立場から「多国間主義」と「同盟重視」「世界における米国のリーダーシップの回復」という3つの柱を軸に進められていくことになる。 【表でみる】ジョー・バイデン氏の人物像  バイデン氏は、トランプ政権が1年前に通告し今月4日に正式離脱した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に関し、1月20日の大統領就任初日に「復帰を宣言する」と表明した。2050年までに米国の二酸化炭素(CO2)排出量を事実上ゼロにする1兆7千億ドル(約180兆円)規模の計画を掲げる。  ただ、民主党の環境政策は急進左派主導で経済成長を損ねる恐れが強い内容も検討されているとみられ、産業界は警戒している。  米紙ワシントン・ポスト(8日付)によると、バイデン氏はトランプ氏が脱退を表明した世界保健機関(WHO)についても、就任初日に大統領令で復帰を宣言する見通しだという。  トランプ氏はWHOについて、新型コロナウイルス危機の対応で「中国の出先機関と化している」と非難し、先進国間ではWHO改革の機運が高まっている。そうした中でバイデン次期政権が無条件でWHOに復帰することは、中国の強い影響下にあるWHOの現状を追認することになりかねない。  日本や韓国などの同盟諸国との関係では、トランプ政権下で懸念されてきた駐留米軍経費負担の極端な増額要求は回避されるとみられている。北太平洋条約機構(NATO)諸国との関係でも、トランプ政権が削減を表明したドイツ駐留米軍の規模を元に戻すことなどが図られるとみられる。  一方、トランプ氏が離脱したイラン核合意には、イランが合意を順守することを条件に復帰する意向を明らかにしている。  トランプ政権は「イラン包囲網の構築」と「イスラエル防衛」を中東戦略の中心に掲げ、イスラエルとイスラム教スンニ派の中東・ペルシャ湾岸諸国との「大同団結」を通じた中東和平の推進を図ってきた。  それだけに、バイデン氏が核合意への復帰を目指す中でイスラエルとの距離が相対的に遠くなる事態となれば、中東情勢が再び混迷状態に陥る可能性も否定できない。

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(2020/11/10)