米テレビのあからさまな肩入れ報道 NYでCNNとFOXを見続けて感じた深刻な危機(GLOBE+)

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米国東部時間11月6日午後11時前、民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領が、国民向けのスピーチに臨んだ。連日続く開票作業で僅差の大接戦が繰り広げられる中、バイデン氏の優位が決定的になった日だった。ただ、米メディア各社は当選確実を報じることになかなか踏み込めなかった。当確報道自体が政治問題になりかねないほど、共和党候補の現職ドナルド・トランプ大統領の開票結果に対する抵抗が強く、米国全体が緊張感に包まれる中で慎重にならざるを得なかったからだ。 「まだ最終的な勝利宣言は持ち合わせていない。ただ、数字は明確だ。私たちは勝利する。(中略)一つの国として団結し(分断を)修復する時が来た。簡単ではないが、頑張らなくてはいけない」。勝利宣言を意図的に避ける配慮を見せながらも、党派に関係なく全ての国民のための大統領になる決意を表明したバイデン氏のスピーチは、歴代の伝統的な米国大統領らしい姿だった。スピーチがうまいわけではないし、カリスマ性もあまりない。それでも、常に相手を攻撃しながら「マイ・ピープル(自分の支持者)」のみを強調するトランプ氏と比べ、バイデン氏のスピーチには安定感があった。 だが、親トランプとされてきたFOXニュースの白人女性キャスターの反応はまるで正反対だった。明らかに軽蔑と分かる表情を演出しながら首を振り、「トランプ大統領を4年間、悪者扱いしてきた後に言うことだろうか」。コメントを求められた黒人女性リポーターも「これだけ多くの言葉を使いながら圧倒的に内容のないスピーチを初めて聴いた」と苦笑した。まるでトランプ氏のレトリックをそのままコピーしたような攻撃的な発言の連発に、これがニュース番組であることを忘れそうになった。 トランプ大統領が名指しで毛嫌いするCNNにチャンネルを変えると一転、今度はバイデン氏を褒めたたえるコメントの雨嵐に驚いた。白人女性キャスターは「民主主義や国民団結の重要性に触れる、なんて大きなスピーチでしょう」と興奮気味。白人男性キャスターも「本当に素晴らしい。昨日のトランプ大統領のひどい会見とは大違いだ」と、大げさに目を丸くしてみせた。

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(2020/11/08)