「米国の傷」は癒えるのか 独立宣言の地に深い亀裂(産経新聞)

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 米国の独立宣言(1776年)が発表された東部ペンシルベニア州フィラデルフィア。民主党のバイデン前副大統領の「当確」が報じられると、宣言が署名された「独立記念館」近くの広場で、元教師の黒人女性、ケイ・ワーナーさん(65)は「私たちは一つだ!」と手に持った小さな鐘を鳴らしながら、声を張り上げていた。  ビールで祝杯をあげ、抱き合う人々。「きょうは美しい日だ。自由と民主主義の発祥の地で、黒人、白人、いろんな人種の人がみんな一緒に喜んでいる。愛は憎しみに勝つ。これが米国の姿だ」とワーナーさんは興奮した様子で語った。  トランプ大統領が米国を率いた4年近くは「毎日、憎しみの言葉を聞かされ、悪夢だった」(ワーナーさん)。率直な物言いで攻撃的なトランプ氏の姿勢はエスタブリッシュメント(支配層)に不満を抱く支持者を熱狂させたが、それ以外の人には「トランプ疲れ」をもたらした。「これから友人と顔を合わせたら、普通の話ができる。昨日のトランプが…と政治の話をしなくてよいのは、それだけで気持ちが良い」と、写真家の男性(37)はほっとした様子だった。  「米国の魂をめぐる戦い」と位置づけ、トランプ氏に挑んだバイデン氏。3度目の大統領選出馬を決めたのは、2017年8月に起きた南部バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者と反対派の衝突事件だった。トランプ氏が「中にもいい人がいる」と白人至上主義者を容認するような発言をしたことに「この国への脅威は、私がみたことのない類いのものだ」と危機感を抱いたという。  白人至上主義者がトランプ氏の強硬な移民政策などに共鳴して勢いづき、死傷者を出す事件にまで発展したことは、人種差別と闘ってきた米国の歴史にも深い傷をつけた。  バイデン氏は7日の勝利宣言で「分断ではなく結束を目指す大統領になる」と述べ、「米国の傷を癒す」と約束した。だが、勝利宣言を行ったその日も、米国の厳しい現実が各地で浮き彫りになった。  フィラデルフィアの開票所前では、若者らを中心とした反トランプ派と、選挙の不正を訴えるトランプ氏の支持者が対峙(たいじ)した。  若者らが流行のダンス音楽に乗って体を揺らしながら「負けを認めろ!」と叫ぶ数メートル先で、トランプ氏の集会演説を大音量で流し、「選挙は終わっていない」と怒号を飛ばすトランプ氏の支持者たち。大勢の警官を挟み、鉄柵

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(2020/11/08)