「酒に弱くなる遺伝子」が関係か 「再生不良性貧血」発症の一端を解明 京大など(産経新聞)

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 「酒に弱い体質」の人が持つ遺伝子変異が、血液細胞が十分に作れない難病「再生不良性貧血」の一種の発症に関係している-。こうした研究結果を京都大の高田穣教授(分子生物学)らの研究グループが発表した。遺伝子変異で発症した患者への新たな治療法の開発につながると期待される。  再生不良性貧血は、血液細胞を作る造血幹細胞が減少し、貧血を起こしたり血が止まりにくくなったりする病気。多くは後天的な発症だが、まれに生まれつきの遺伝子変異で発症する場合もあり、原因となる遺伝子が分からない患者もいた。  グループは、再生不良性貧血の研究で集められた血液試料の遺伝子情報を解析。原因不明とされた患者7人で、アルコールを分解していく過程で働く「ALDH2」遺伝子と、人体に有害なホルムアルデヒドを分解する過程で働く「ADH5」遺伝子に変異があることを発見した。  ALDH2遺伝子の変異は日本人の半数にあり、酒に弱い体質になるという。  この2遺伝子が働かないマウスを調べると、ホルムアルデヒドが分解されず、蓄積することが確認された。2つの遺伝子変異が組み合わさることで、ホルムアルデヒドが造血幹細胞の増殖を妨げ、正常な血液細胞が十分に作られずに再生不良性貧血を発症させるとみられる。  高田教授は「人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って病態を再現し、遺伝子の働きを高める治療法を開発したい」としている。

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(2020/11/07)