「スーツもデータも一人ひとりを輝かせるもの」慶応大医学部教授の宮田裕章さん スーツ・オブ・ザ・イヤー2020受賞(NIKKEI STYLE)

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 「固定観念にとらわれない」が宮田裕章さんの信条だ。「物事は変わるものだ、というある種の諦観と覚悟を持って事象に向かい合う。それは、ファッションでずっと体験してきたことなんです」  直前まで「これはないよな」と思っていたアイテムが突如、かっこよく思えたり、ちょっと前まで良かったスタイルが急にダサくなってしまったりするのがファッション。「刹那的すぎて嫌だという人もいると思います。でも、そこに楽しさがある」  医療分野でのビッグデータ活用をいち早く唱えてきた。くしくもその研究の成果が遺憾なく発揮されたのが、新型コロナ感染症の実態を早期に把握するため、通信アプリのLINEを使って厚生労働省と実施した全国調査だった。  本来はPCR検査をするのが正しい把握の仕方のひとつ。「それではお金も時間もかかって現実的ではない。ならばアンケート形式で集めることができるのではないかと、LINEやアマゾンに声をかけました」。どんどん変化する現実の中で、固定観念にとらわれず柔軟に考えていく姿勢が、コロナ対策に役立った。  得られたデータと実際の陽性者数の間には相関がかなりあり、これは信頼できる、と手応えを感じた。「実際、テレワークでは陽性者は少なく、マスクを外して人と接する機会が多いと、どーんと感染が増えたことも分かった。日々をどう過ごしたらよいのか、道しるべが示せた」  データは平均値を出すための雑なマーケティング、ととらえられがちだ。だが、そうではない。「一人ひとりを捉えて、そして誰も取りこぼさないのがデータの力」だと信じる。「給付金の配分でも、データがあれば、いたみに応じたサポートができたはずです」  データを駆使して、一人ひとりが輝ける社会変革を促すのが目標。ファッションだってそうあるべきだと感じている。  コートだけで80着以上を持つ、大のファッション好き。あらゆるスタイルに挑戦してきたが、中でもスーツは大事にしているドレスコードだ。「伝統に対する敬意もあり、組織や様式美をリスペクトしながら、自分自身の個性を響かせることができるスタイル」だから。適度に体形を鍛えて、ベストな状態で着るという意味でも、スーツは身が引き締まるという。

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(2020/11/07)