錦織圭には高い「東京五輪」のハードル…カギは5月の全仏(日刊ゲンダイDIGITAL)

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武田薫【スポーツ時々放談】  錦織圭がATPツアー最終戦、パリ・マスターズを棄権して今シーズンを終了した。  右肘の手術による1年のブランクから再起をかけた年は新型コロナウイルスに振り回された。9月末の全仏オープンが最悪で、連日の雨に重いボールが負荷を増し、しかも10度を下回る寒さの中で5セットマッチを2試合……右肩を痛めてしまった。  回復途上の肘の酷使、課題だったサービス改造の影響もあっただろう。ウイルスの感染拡大や悪天候は仕方ないが、暮れには31歳。残された時間を考えると、来季は進退をかけた厳しいシーズンになる。  今年は4大会に出場して2勝4敗、現在の世界ランクは40位。ランキングは1年間有効の獲得ポイントで構成される仕組みだが、コロナ禍の特殊事情を考慮し、男女ツアーとも昨年のポイントが来年2月まで凍結されている。錦織は1345ポイントで、中でも大きいのは昨年、8強まで進んだウィンブルドンと全仏の各360ポイント、ローマとバルセロナの各180ポイントで、この中では最初にバルセロナのポイントが4月20日に消える。  現状ツアーは若手の台頭著しく、ナダルとジョコビッチも健在――再起に失敗した今季を踏まえれば、来季に向けて大きな目標は立てられない。グランドスラムより東京オリンピックに照準を合わせるしかなく、そのオリンピックへのハードルも決して低くはない。  オリンピックは64ドローの56人まではランキング順で、1カ国4人という出場制限がある。現時点でフランス7人、米国6人などのダブリがあり、暑い東京を避ける選手もいるが、最低60位は欲しい。カギは5月末の全仏だろう。オリンピックの参加基準が全仏終了時点のランキングで、錦織はここで360ポイントを守らないといけない。最悪、全仏までのポイントをすべて落とすと120位まで落ちてツアー生活が行き詰まる計算になる。  オリンピックには開催国枠があってもせいぜい1枠。西岡良仁(51位)、杉田祐一(99位)、内山靖崇(101位)、ダニエル太郎(114位)が微妙な位置で狙っており、人気実力は錦織が上とはいえ、そう遠くない昔、絶対王者だった瀬古利彦がケガで走れず針のむしろに立たされた苦い記憶もある。60位以内は必須だ。  それにしても複雑な時代である。来季の開幕舞台のオーストラリアは政府の感染症対策が厳しく先行きは不

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(2020/11/07)