【「フェイス/オフ」評論】ジョン・トラボルタ&ニコラス・ケイジの“両極演技”に震える、ハードな入れ替わり物語(映画.com)

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 新型コロナウイルスの影響により、多くの新作映画が公開延期となり、映画ファンの鑑賞機会は減るばかりです。映画.comでは、「映画.comオールタイム・ベスト」(https://eiga.com/alltime-best/)に選ばれた、ネットですぐ見られる作品の評論をお届けいたします。今回は「フェイス/オフ」です。 「映画.com ALLTIME BEST」一覧  巨匠ジョン・ウーのハリウッド出世作となった「入れ替わり物語」は、極めてハードである。青春譚の始まりとなるような心と心のチェンジではなく、血と暴力に満ちた顔と顔のチェンジ。しかも「顔面を剥ぐ(フェイスオフ)→移植する」という驚愕の手法で入れ替わる。荒唐無稽にも思える設定だが、“バイオレンスの詩人”は自らのカラーを全面に取り入れ、一級のエンタメ作品へと昇華させてみせた。  物語の主軸となるのは、冷酷無比のテロリストとして名を馳せるキャスター・トロイと、彼に息子を殺されたFBI捜査官アーチャーの因縁だ。6年の歳月を経て、アーチャーはトロイを確保するのだが、時限式の細菌爆弾の脅威が残されていた。苦悩するアーチャーは、昏睡状態のトロイの顔を自身に移植し、爆弾の在り処を知るトロイの弟に接触する。しかし、覚醒したトロイもアーチャーの顔を移植。最も憎悪する互いの顔を取り替えた2人が死闘を繰り広げていく。  本作は冒頭からクライマックスといっても過言ではない。アーチャー息子射殺事件を活写した後、その間に起こったであろう執念の捜査劇をカット。時系列はすぐさま6年後へと飛躍し、ド迫力の追走劇が描かれていく。ロングコート×二丁拳銃アクション、スローモーションの多用といった“ジョン・ウー印”を空港でさく裂させ、ひとまずの終幕へ。リスタートする「入れ替わり物語」を経て、教会で白鳩と銃弾が舞い、水上のボート・チェイスに結実。2度もクライマックスが堪能できるような“オイシイ構成”だ。  アクション面だけでなく、ドラマパートにも注目したい。入れ替わったトロイとアーチャーが、それぞれのプライベートへのカンフル剤となっている。仕事優先のため、妻と娘との関係に悩むアーチャー。その状況を意図せず改善するのは、彼の顔をまとったトロイだ。本性を露にしていない状態では“チョイ悪パパ”として機能してしまう。一方、トロイの顔を被ったアーチャーの恩情

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(2020/11/07)