謎の高速電波バーストを検知、発生源は「マグネター」だった(ナショナル ジオグラフィック日本版)

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 高速電波バーストという現象は2007年に発見された。一瞬の出来事のため研究が難しく、当初は、電子レンジなどの地球上の発生源からの信号を誤認しているのではないかと疑う科学者さえいた。  2013年までにさらに4つのバーストが発見されたことで、これが宇宙から来ていることは確実になったが、謎は深まる一方だった。その3年後、天文学者たちは、高速電波バーストを繰り返し発生している天体を発見し、それが地球から26億光年以上離れた銀河にあることを特定できたと発表した。天文学者たちは現在までに、100個以上の高速電波バーストを発見しており、そのうちの約20個が繰り返しバーストを発する「反復型」である。  バーストの持続時間は非常に短く、発生源はあまりにも遠方にあるため、天体物理学者たちは、この強烈な電波バーストの発生源の特定に苦労してきた。しかし4月27日、まず米NASAの2基の宇宙望遠鏡が、天の川にあるSGR 1935+2154というマグネターから発せられるX線とガンマ線を検出。翌日、地上の電波望遠鏡が同じ天体からの電波信号を検知した。  マグネターと同じ領域からくる電波バーストを最初に検出したのは、金属の巨大なハーフパイプのようなアンテナからなるカナダのCHIME望遠鏡だった。CHIMEのスタッフはすぐに世界中の天文学者にアラートを送り、この天体に望遠鏡を向けるように促した。  この信号は、米国の電波望遠鏡STARE2でもとらえられた。STARE2の設計者で、今回の分析を主導したボチェネク氏によると、この電波バーストは非常に強烈で、理論的には4G携帯電話の受信器でも拾えたはずだという。  X線バーストと電波バーストが同じ小さな領域でとらえられたことが、高速電波バーストとマグネターを強く結びつけた。この謎の信号と特定の天体が結び付けられたのは今回が初めてだ。

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(2020/11/07)