【「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」評論】デビッド・リンチの「ローラ・パーマー愛」、そして「The Return」攻略ガイド(映画.com)

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 新型コロナウイルスの影響により、多くの新作映画が公開延期となり、映画ファンの鑑賞機会は減るばかりです。映画.comでは、「映画.comオールタイム・ベスト」(https://eiga.com/alltime-best/)に選ばれた、ネットですぐ見られる作品の評論をお届けいたします。今回は「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」です。 「映画.com ALLTIME BEST」一覧  かなり不幸な形で終わったTVシリーズ「ツイン・ピークス」の映画版を、デビッド・リンチは何故作りたかったのか。ずっと疑問でした。  そしてつい最近(2020年10月24日)、日本語訳が発売されたリンチの自伝本「夢見る部屋」で疑問が解けました。リンチは次のように語っています。  「なぜローラ・パーマーが大好きなのかは自分でもわからないが、とにかく好きなので、死ぬ前の日々に彼女が何をしていたかに立ち戻りたかった。『ツイン・ピークス』の世界にとどまりたかったんだが、変な時期だったもんでね。その頃はみんな『ツイン・ピークス』には食傷気味だったから、売り込みに苦労したよ」  実にシンプルな解答ですが、これで合点がいきました。この映画は、リンチのローラ・パーマーに対する愛の集大成なのです。また、ブームが去った後なので、制作費を調達するのが大変だったことも分かりました。  TVシリーズ版は、スタートの時点でローラは死体です。だから、回想シーンや「赤い部屋」以外、彼女が登場するシーンはありません。リンチは殺される前の、元気で、セクシーで、皆に愛される(色んな意味で)ローラの物語を作りたかった。  しかし本作は、主人公のローラが殺害されることは必然で、あまり楽しいものにはなりません。徹頭徹尾、暗くて辛くて、しかも痛い。  また、TVの放送コードでは表現できなかった暴力やセックス描写が、よりあからさまに描かれています。「ローラ・パーマー、そんなに頑張るなよ!」と言いたくなる。  ワールドプレミアが行われたカンヌ映画祭でもブーイングの嵐で、批評家たちやクエンティン・タランティーノが、辛辣な感想を語っています。興行的にも、北米、ヨーロッパともにかなり厳しい結果に終わりました。  ところが、「ツイン・ピークス」ブームが遅れてやって来た日本だけは例外で、カイル・マクラクラン来日キャンペ

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(2020/11/06)