小惑星アポフィスの軌道変化を検出、2068年の衝突リスクに影響?(sorae 宇宙へのポータルサイト)

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ハワイ大学のDave Tholen氏らの研究グループは、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」を使って小惑星アポフィスを観測した結果、その軌道が「ヤルコフスキー効果」によって変化していることを検出したとする研究成果を発表しました。 ヤルコフスキー効果とは、太陽に温められた天体から放射される熱の強さが場所によって異なるために生じる力で天体の軌道が変化する効果のことで、小惑星のように小さな天体ほど影響を受けやすくなります。 今回観測されたアポフィスは約323.6日周期で太陽を公転する直径約340mの小惑星で、地球接近天体(NEO)のなかでも特に衝突の危険性が高い「潜在的に危険な小惑星(PHA:Potentially Hazardous Asteroid)」の一つとされています。研究グループが2020年1月と3月にアポフィスを観測したところ、ヤルコフスキー効果によってアポフィスの軌道長半径(※1)が毎年約170mメートルずつ小さくなっていることが明らかになったといいます。 ※1…天体が描く楕円軌道の長半径(楕円の長軸の半分)のこと アポフィスは2029年や2036年に地球へ接近するものの、このときに衝突する可能性はないとされています。また、NASAの地球近傍天体研究センター(CNEOS)によると、2068年の接近時に衝突する確率は15万分の1と見積もられています。しかし、研究グループは2068年にアポフィスが衝突する可能性に注目しており、ヤルコフスキー効果がアポフィスに及ぼす影響についてのさらなる調査を進めているとしています。

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(2020/11/06)