ミャンマーで8日に総選挙 スー・チー氏与党に失望感(産経新聞)

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 任期満了に伴うミャンマー総選挙が8日、投開票される。アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相の与党・国民民主連盟(NLD)が優勢で、上下両院で単独過半数を維持できるかが焦点。スー・チー氏人気は健在だが、NLDが前回2015年総選挙で打ち出した公約の多くは未達成。少数民族武装勢力との和平を期待した地方住民を中心に失望感も漂っており、逆風となる可能性がある。  総選挙は、上院(定数224)、下院(同440)のうち、25%の軍人枠を除く498議席を改選する。  前回選挙でNLDは改選議席の約8割を獲得し、軍系政党の連邦団結発展党(USDP)を抑えて圧勝。軍が半世紀以上、実権を握ってきたミャンマーで文民政府を実現した。国軍と少数民族武装勢力の和平実現や、軍政下で作られた憲法の改正などの公約が支持を集めた。  だが、NLDの政権運営は、強い影響力を持つ軍に配慮せざるを得ず、苦しいものとなった。軍の抵抗などによって和平の機運は高まらず、逆に17年8月には西部ラカイン州で国軍とイスラム教徒少数民族ロヒンギャの衝突が発生。大量のロヒンギャ難民が隣国バングラデシュに逃れ、国際問題に発展した。憲法についてもNLD政権は今年1月に改正案を国会に提出したが、軍系議員の反対に直面し、軍の権限を弱める案はことごとく退けられた。  今回の選挙では、前回選挙で和平実現を期待した票が野党側に流れるとの見方が出ている。政府は、武装勢力との摩擦が続く州の一部選挙区で「安全が確保できない」として投票実施の見送りを決めたが、地域政党への支持が厚い一帯が含まれており、「野党つぶし」との批判が集まる。  野党側は新型コロナ禍を受けて、投票延期を呼びかけたが政府は拒否。大規模集会が規制されたことなどで選挙戦は盛り上がりを欠いており、知名度や組織力で勝るNLDに有利との見方も出ている。  人口の約7割を占めるビルマ族を中心にスー・チー氏への支持は根強く、NLDは過半数割れでも第1党は維持できる見通しだが、議席を大きく減らせばスー・チー氏の求心力にかげりが出る可能性がある。(シンガポール支局 森浩)

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(2020/11/06)